アメリカの「返品ビジネス」

返品大国アメリカではお買い物に行く際に「あ~!この店の返品忘れた!」という言葉が良く飛び交います。

クリスマスの翌日はお店にいくと返品の行列が。。。(欲しいものもらえなかったから返品)というのはよくある風景。普通の日でも2人に一人は何か購入と同時に返品があるくらい。

アメリカの路面店購入品の5~10%が返品されます。オンラインは30%の返品率

どうしてそんなに返品するの?アメリカン消費者はわがままなの???

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そう、わがまま・・・それは確かです。気に入らないものにお金は一銭も払いません

しかし、この返品はアメリカンに古くから根付くリテール戦略からできたリテール文化でもあるのです。

そんなに返品が簡単なの?

基本的になんでも返品できます。

一般的な返品期間は30~90日でレシートがあればカードや現金で返金もしくはお店のクレジットカードを使ったり、メンバーシップカードを持っていればレシートもなしで返品可能。

30~90日を超えた場合はそのお店のクレジットとして返金してくれます。

お店でOKな返品理由:

コストコのアップルパイが美味しくなかったから半分食べたけど返品

コーヒーメーカー買ったけど音が思ったよりうるさいから返品

ソファー買ったけど配達後みたら色が気にいらないから返品

洋服買って来てみたけど、やっぱりやーめた。返品

私のお気に入りはホームセンターに訪れた横のレジのおばちゃん。

カートに枯れ果てたお花乗せて来店。「あんたとこのお花枯れちゃったわよー。だから返品にきたわ」「よく枯れるわよ、このお花よくないわ」・・・笑。

最近では車も7日間なら返品可能。アマゾンなんて軽くて安い商品の場合は返品送料の方がもったいないから返品は結構です。返金だけするので商品は処分するかチャリティーに寄付してください・・・と。

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返品ビジネスチャンス

となんでもありですが・・・。

実はこの返品客は大事な大事な「再来客」つまり知らない間に「リピーター」獲得。

以前はアメリカの返品は「怒ってブランド離れをするよりは心地よく返品を」「お客様満足度アップに返品受付」「返品から傾向察知」「うちの商品には自信があります」というブランディング、マーケティング戦略でしたが今や返品はついで買いで売り上げ増加戦略

アマゾン独占EC市場が加速、オムニ戦略で困った路面店リテーラーはとにかく路面店に足を運んでくれた顧客からの売り上げ獲得を目指しているのです。だから

①返品レジまでには陳列ケースが並び、ついで買い製品を陳列

②返品とオンライン購入路面ピックアップカウンターは店の奥

③返品してくれたら当日有効クーポン発行

となるわけです。ちなみに返品が簡単な方が顧客のリピーター率が高い!消費者の多くは購入前に返品ポリシーを確認します。全米大手のコールズ(Kohl’s)ではわかりやすいほどこれを実行、路面店舗の厳しい経営状況を立て直し中。

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ケーススタディ:コールズ(Kohl’s)の場合

路面店舗への客足が遠のいていたコールズ。2019年頃からアマゾンと提携してコールズ店舗内にアマゾン製品返品デスクを設置。アマゾン返却客のコールズ誘導を目指しました。

  • デスクはもちろん店の奥深く
  • 返品は梱包の必要なく品物そのまま持って行くだけ
  • 返品がおわるとコールズの当日有効クーポン(しかも20%OFF!)発行
www.jsonline.com/

これだけで2020年にはコールズは200万人の新規顧客を獲得したのです。まさに返品戦略!(しかも敵とみていたオンラインリテーラーと提携)

先日日本では「返品はできないものと考えましょう」という記事をみかけましたが、どうでしょう日本では返品リテーラー戦略で顧客獲得戦略?試してみませんか?

Tampa bay.comより