【お仕事シリーズ】2021年新卒アメリカ学生トレンド

前回はアメリカの以外な就職問題についてお伝えしましたが、今回は晴れて学生を卒業して2021年からNEW社会人となったアメリカの学生のトレンドについてお伝えします。

アメリカの大学は卒業に必要な単位を取得次第卒業する学生や、ダブル専攻、学院進学へのタイミングを見計らって余分に勉強をする生徒など卒業時期はバラバラですが、一般的に多くの学生は毎年5月~6月頃に卒業式を迎えます。

2021年9月の現在は5月~6月に卒業をした学生が社会人として仕事を始めていることです。

トレンドの前に。日本とアメリカの就職活動、次期の違いについて

(これについては後日詳しくお伝えします)ので今はざっくりと。

日本では大学3年生頃から就職活動をはじめる学生さんも多いかと思いますが、アメリカは卒業式手前数か月前~卒業した後考えるというタイミング。結構ゆっくりです。

というのも、アメリカは日本のように「新卒採用枠」という考え方がなく、新卒の学生さんのみを対象とした企業説明会などは行いません。一部、大企業で学生インターンシップからの採用や、新卒~社会人3年までほどの候補者を対象としたマネジメント採用というある意味幹部候補生用新卒採用を行うこともありますが、これは大企業、超大企業の特徴に多く、一般的にはありません。

また、採用も「一般職採用」(=研修後所属部署決定)というものはなく、学生さんは自分が望む、募集のあるポジションに応募します。日本の既卒者採用のようなイメージです。「〇〇会社」ではなく「〇〇会社の品質管理アシスタント」に応募するというイメージ。

そして、新卒を逃すと職探しが難しくなるということは一切ありませんので、5月に卒業後、アルバイトを続けながら夏休みを満喫してからゆっくり仕事を探し始める、という学生さんも多くいます。

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2021年就職トレンド その①オフィスに通勤したい!

もうすでに社会人経験豊富な人口は以前の在宅テレワークトレンドでお伝えした通り、自分のワークスタイルに対してある程度どういった働き方が理想かという考えをもっており「在宅テレワークないと仕事辞める!」「在宅テレワークないなら転職する!」という意見も多くありますが。

2021年社会人になった学生さんは「オフィスに通勤したい!」思いが強いようです。

企業が新しいワークスタイルの希望に応え、遠隔とオフィスのハイブリッドに移行しつつある中、ソフトウェア会社iCIMSによる調査では対象学生の64%がほとんどの時間、もしくはフルタイムでオフィスで働きたいと回答。

そして98%は何らかのハイブリッドでもいいので完全遠隔ではなく、オフィスでも働きたいと回答。 完全遠隔でフルタイムで働きたいと答えたのはわずか2%。

その理由は:

  • 大学の最後1年半を完全にZOOM上で過ごしたせいか、オンライン疲れ
  • 初めての社会人で「在宅勤務」ができる場所や備えがない
  • トラディショナルな「通勤スタイル」を経験したい

そして一番多かったのは

  • 同僚と直接会い、顔を合わせて協力し、直接会う職場環境で関係を築きたいから

そうですよね、やはりせっかく就職したのならチームや同僚と顔を合わせながらコミュニケーションできる環境が欲しいですよね。企業採用担当者の間ではジェネレーションZ世代(現在の33歳以下の年齢)はデジタルネイティブなのでなんでもバーチャル、オンラインのみが好みだろうという誤解も多いようですが、やっぱりオフィスでコミュニケーション(飲みニケーションとかも)とりたいですよね。

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2021年就職トレンド その②コロナ後、案外好景気な就職市場

National Association of Colleges and Employers(NACE)によるアメリカ国内企業への調査によると、2020年に比べ、2021年は新卒者を7%多く採用すると予測。

(アメリカは即戦力となる経験者を好んで採用する傾向がありますが、新卒(=社会人未経験の「エントリーレベル」)を多く採用するということは単純にエントリーレベルでも即戦力になれる仕事が増えている、もしくはエントリーレベルをトレーニングする余裕があるということになります)

他の調査でも、2021年の就活市場はやや先行きがみえないところもあり不安定ではあるが、調査をした企業の人事担当者の60%近くがこれまでにましてより多くのポジションにおいてエントリーレベルの採用を行っていると回答。採用する側も不安ながらに少々余裕がでてきているのでしょうか。

2021年就職トレンド その③コロナ好景気で平均給与も上昇

同じくNACEによる調査では、2021年新卒の平均初任給は、特にコンピュータサイエンス専攻で上昇すると予想されています。今年のエントリーレベルの平均初任給は66,600ドル(1ドル100円でも666万円!)で、2019年から11%、2020年から22%増加傾向(その分家賃や他の物価も急上昇中ですが・・)

**ちなみにこの「初任給」のコンセプトも日本とは違います。日本の採用要項には「〇〇円」と一律金額が記載されていますが、アメリカは金額記載がないところも多く、同じ新卒でも経験やスキル、会社によって給与はバラバラです。よって給与金額もかなり開きがあるのです。なのでこの平均も高給学生が引き上げているというところもあります。

大学生用リクルートコンサルタントによれば、前回お伝えしたような現在の「採用難」の原因は労働者不足ではなく、高騰する平均給与のトレンドを知っている学生や候補者が十分な賃金を支払わない職へ興味を持たないからだと。

「お給料安いならこのままバイトでチップで稼いだ方がいいからまたもうちょっとしてから就職考えよーっと」という学生もいます。新卒で就職を逃したから次の就職が難しいということもないアメリカでは学生さんは結構就職に対しては気持ちに余裕があります。

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2021年就職トレンド その④ダイバーシティ文化重要視!

Diversity, equity, and inclusion (DE&I) = 多様性、公平性、包括性(DE&I)

就職活動中の72%の学生は、企業がDE&Iに取り組んでいることが就職先選択の重要ポイントと回答、そして58%は、面接で会社のDE&Iの取り組みについて話が聞けることを期待しているという調査回答もあり、2021年の新卒学生にとって自分がはたらく企業がDiversity, equity, and inclusion (DE&I) に取り組んでいることはとても重要な要素。

企業担当の中にはとても若い候補者から「DE&Iについてこの会社はどういう方針を持ってどういう取り組みを行っているか聞かせてほしい」と聞かれるとは思わなかったという感想もでるほどこれは最近のトレンドだそう。

2021年新卒のジェネレーションZ世代の候補者にとって自分が働く企業が「自分の考えと同じようなビジョンをもっているか」ということにはとても敏感。共感を持てるカルチャーの中で仕事をしたいという希望がはっきり表れています。

(オフィスが駅から近いか・・・とかそんな観点をこえましたね(笑))

と、2021年にウェルカムされた新卒の学生さんの就活トレンドをおとどけしました。

次回もお仕事シリーズ続きます!お楽しみに。

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