アメリカの「返品ビジネス」に急変!

以前、こちらの記事でアメリカの「返品ビジネス」についてお伝えしました。これはリテーラーによるお客様満足度アップはもちろん、返品をするために再来店する顧客からの店舗内での追加購入を狙うというもの。店に足を運んでもらうことすらが大競争のアメリカンリテーラーにとって返品の為に再来店してくれるお客様はありがたい「リピーター」客なのです。

しかし、2022年その「返品」に変化が・・大手リテーラーは

返金しますからそのまま商品はとっておいてください??

返金するなら返金代お金頂きます?? 

と返金ポリシーを変更傾向に。なぜいきなりこんなことに?

コロナ明け、一気に荷下ろしされた商品の行き所なし

2020年コロナで物流が遅延、あらゆるものが品薄だったアメリカ。

まず初めに中国のコロナからの製品発送が滞り、その後数か月遅れてやっと到着した数十隻のコンテナ船がアメリカ物流の入り口である港で停滞。そしてその溜まりにたまった荷物を降ろす人員不足が続き・・・多くの物資が沖に停泊状態がつづきました。

が、2022年に入ってコロナの影響が薄れると、、これまで滞っていた荷物が一気に荷下ろしされリテーラーの倉庫に搬入されると

以前の品薄とは一転今度は「在庫多すぎ」の事態に。

このブログでも同じみの大手リテーラーのターゲット、ウォルマート、アパレルのGAP、アメリカンイーグルアウトフィッターズなど大手各社が在庫を抱えきれず、その大量の在庫の保管に膨大な費用を割くことになっているのです。

(とにかく在庫を減らしたいリテーラーが続出、アメリカは今、どこのお店でも大セール中なのです。インフレで物価急上昇の私たち消費者にとってセールはとても嬉しいんです。)

セールしても減らない在庫と「返品」の山

商品の在庫動かすにはセールや何かと方法はあるのですが、もっと困るのが「返品」。これまでカスタマー満足度、再来店促進!とゆるゆるな返品ポリシーだったリテーラー。お客さんも「買って気に入らなければあとで返品すればいいや」となんでもかんでも返品OKの勢い。

しかし、ただでさえ在庫保管に膨大な費用がかかって利益に負担がかかっている中、返品在庫の処理や返品輸送にかかる費用は企業にとってもっと負担。リテーラーにとってはやっとのことで安売りして動かした在庫が戻ってくる、しかもその返品費用がかさむ・・・という具合。そしてインフレで物流コストも跳ね上がって大変。それなら「返品」しない方向へ。。。

Photo by Artem Beliaikin on Unsplash

こういう背景があり、現在あらゆるリテーラーが「返品」に対するポリシーを変えようとしています。リテーラーがとった行動はこの3つ。

  • 返品期間短縮や期限を設定
  • 返品費用のチャージ
  • 返金するから返送しないで

返品期間短縮や期限を設定

例えばお土産でもよく購入されることが多い、良い香りのするハンドソープやキャンドルを販売するBath and Body Worksでは返品ポリシーは「いつでも、どんなことでも、どんな理由でも」でしたが、さすがにコストがかさみ過ぎてポリシー変更を発表。9月からは返品は90日以内。そしてレシートがない返品の場合は250ドルまでという上限を発表しました。

(なんとここではハンドソープ使いきって3年後に返品でもこれまで快く返品OKだったんです。。それもすごいポリシーですが)

GAPも6月から45日返品期限を30日に短縮。

返品費用のチャージ

アメリカでも若年者に大人気の世界展開のアパレルリテーラーZARA(ザラ)は「環境への配慮」を理由としてイギリス店舗から対象に自社店舗以外での返品に対して約$2.39の返品費用を徴収。

同じく若者に人気のアパレルリテーラーのBoohooもヨーロッパ圏のお客さんには一回1.99ポンド、アメリカのお客さんからは一回6ドルの返品チャージを開始しました。

そして、、今まで「無料」返品が当たり前だったアメリカンに返品費用なんて課すると買い物をしてもらえなくなる!と大手リテーラーがはじめたのが

「返金するから返送しないで」

これはアマゾンが数年前から採用しているポリシーで、返品されても返送代の方が高くつくような商品、安価な家具、タオルや食べかけの食品など再販できない衛生に問題がある商品の返品に関しては返金しますが返送は必要ありません。というポリシー。

実際、私も何回も「返品処理しますから、商品は寄付するか処分してくださいね」といわれたことがあります。

このアマゾンポリシー、競合のウォルマートやターゲット、大手アパレルリテーラーにもひろがりつつあるのです。今のアメリカの過剰な燃油料金の値上がりや人件費の値上がりを人員不足を考えると、「環境のため」というよりは「コスト削減生き残り!」というにおいがプンプンするこの返品ポリシーの変化。

乱用する人が増えるでしょうね~。。

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