アメリカ最高裁で決着!ウイスキー対ペットのおもちゃ

日本でもおなじみウィスキーメーカーの「ジャック・ダニエル」が、ワンちゃんグッズなどパロディー面白おかしいパロディーグッズを販売するアリゾナ州のVIPプロダクツ社に対して商標侵害を訴え、この商標紛争は遂にアメリカ最高裁判所での審議へと持ち込まれました。

前回の記事でアメリカの社会背景から特に気を付けるべき商品やブランドのネーミングについてお伝えしましたがネーミングをする際には商標チェックも欠かせません。

商標停止にならないように

2020年のStatistaデータによるとアメリカ企業による商標(Trademark)登録数は年間約836,496件で、アメリカマーケティング協会によれば毎年約3,000件の商標権侵害訴訟が提起されていて、裁判至った場合の訴訟費用は1件あたり約5000万円~2億円でした。

そんな大事に至らないためにも、またそもそも「商標停止レター」を受け取らないためにもロゴやネーミングはきちんと商標登録、そして他の商標登録に抵触しないかチェックをしておきましょう。

訴えられた「キューキュ鳴る犬のおもちゃ」

今回ウイスキーメーカーのジャックダニエルが訴えるきっかけとなったのがVIPプロダクツ社が販売する犬のおもちゃ。よくある噛むとキューキュー鳴るあのおもちゃです。しかし、問題はそのおもちゃボトルがジャックダニエルのウィスキーボトルのような形をして「ジャックダニエルならぬ「バッドスパニエル」「Old No. 2 on Your Tennessee Carpet」とかかれていること。

本家ジャックダニエルのウイスキーには「Old No.7 Tennessee Whiskey」

(オールドNo7 テネシーウイスキー)

バッドスパニエル(パロディー)には「Old No. 2 on Your Tennessee Carpet」

(オールドNo2(よき古き)カーペットについた犬のうんち)

このおもちゃはオンラインでは約17ドルで販売されていて、パッケージには小さなフォントで「この製品はジャック・ダニエルと提携していません」一応注意書きはされています。

ワンちゃんのおもちゃとしてウケ狙いでパロディー化されたおもちゃですが・・・ジャックダニエルにはそうは受け取られなかったようです。ジャックダニエルはこのパロディー商品はジャックダニエルの知名度傷つけ、またその知名度を利用して売上を得ていると訴えています。

Jack Daniel’sは、VIP Productsが連邦商標法に違反、買い物客を混乱させる恐れがあると主張。一方VIP Productsは、このおもちゃが「表現の自由」であると主張しているのです。

Photo by Foodie Factor
VIPプロダクツ社オンラインショッピングサイトより。対象となっている「バッドスパニエルの犬のおもちゃ。売り切れになっています。

これだけじゃないワンぱくなVIPプロダクツ社

この商品だけではなく、VIPプロダクツ社は他にもいろんなドリンクのパッケージのパロディー製品を販売しています。今ウェブサイトで確認しただけでも28種類。なかなか面白いのでワンちゃんおもちゃギフトに人気がでそうです

ギネスビールやステラ。クリスタルシャンパンからコカ・コーラ製品までいろんなパロディー商品が勢揃い。

実は2008年には、バドワイザーを製造するアンハイザー・ブッシュ社が、「Budweiser バドワイザー」のパロディー「ButtWiper バットワイパー(おしりふき)」と書かれたおもちゃをめぐって起こした同様の訴訟で、VIPプロダクツは敗訴しているという過去もあるのです。

今回はどうなるのでしょうか・・・・

Photo by Sora Shimazaki

他の有名企業も賛同

パロディー商品はおもしろおかしいウケ狙いギフトで購入されたりしますが、本家企業にとっては自社がパロディー商品をにライセンス契約をしていると勘違いされ企業イメージを崩したり、自社の知名度を利用して他社が利益を上げたりと大きなマイナスになることもあり、本家企業側からすれば大迷惑にもなりかねません。

よって今回の裁判準備書類の中には自社が所有する「GODIBA®(ゴディバ)」や「GOLDFISH®商標」など数々の商標の保護と戦ってきた有名食品ブランドのCampbell Soup Co(キャンベル)、ジーンズメーカーのLevi Strauss & Co(リーバイス)、アウトドアウェアのPatagonia Inc(パタゴニア)からジャックダニエルの主張を支持する意見書が提出されています。

Photo by Calle Macarone on Unsplash

遂にアメリカ最高裁判所まで至ったこの裁判は今後の商標のとりあつかいに大きな影響を与える注目すべきケースです。結果がどうなるのでしょうか、明らかになったらまたアップデートご報告しますが、その間に、アメリカで、もしくは他の新し市場で新しいブランドや商品を展開しようとしている企業さんは商標専門家を採用、予算が厳しい場合は最低でも自社でUSPTO(米国特許商標庁)で商標登録検索、他の企業に抵触しないか確認をすることをお勧めします。