毎年1月にネバダ州ラスベガスで開催される電子機器の見本市。コンシューマーエレクトロニクスショー(Consumer Electronics Show) 略しCES (シー・イー・エス)。日本では「セス」とも呼ばれています。
CESは毎年世界から多くの企業が参加、日本企業も多数出展されています。
このCESは昔は家電展示会(テレビや冷蔵庫、音響機器など)のようなものでしたが、最近では最新家電はもちろんですが、AI・ロボット、空飛ぶタクシーや自動運転車、最新の食品、ヘルス、アミューズメント、ペットテクノロジーなど家電だけでは収まらない最新のテクノロジーが集まる巨大イベントになっています。
オープニングから6日間開催されるCES、なんといっても見どころは展示会フロア。
毎年火曜~金曜日の4日間複数の展示会場でカテゴリーに分かれて展示があります。
4日間では周りきれない3,200社が出展するCESは一度は訪れたいイベントです。そんなCES参加してみようかな、今回がはじめての参加という方必見。CESベテランローカル民がお届けするCESラスベガス2024視察ガイド をお届けします。
【はじめての方必見】CESベテランがお届けするCESラすスベガス2024視察ガイド :
CES2024 についての基本
まずは基本情報から
CESはどんな人向けの展示会?
テクノロジー好きなら誰でもといっても過言ではありません。
とはいえ、参加にはメディアの方以外は一応・・「消費者電子家電業界の関係者」とあり、参加登録時に名刺アップロードや会社名、業務カテゴリーなど回答しなければならないのでご注意を。(登録方法は後ほど)
例えば毎年日本からソニー、トヨタ自動車、パナソニックさんなど有名企業はもちろんのこと、大学の研究室の開発グループの方、スタートアップ企業の方、メーカーの方が多く展示されていたり展示会見学にいらっしゃいます。
ご参考までに2024年CESの展示カテゴリーはこちら:
5Gテクノロジー
アクセシビリティ(高齢・体不自由な方サポート技術)
エイジテック(高齢者サポート)
アグテック(アグリテックとも。農業テクノロジー)
AR/VR/XR
人工知能
オーディオ・テクノロジー
ビューティー・テック(自動ネイルマシンから肌診断まで)
ブロックチェーン
サイバーセキュリティ
デジタルヘルス(フィットネス時計から電子自転車までたくさん)
ダイバーシティ&インクルージョン(民族や女性男性の枠を超えたテクノロジー)
ドローン
教育(赤ちゃん教育ソフトからAI学習まで)
エンターテインメントとコンテンツ
ファミリー・ライフスタイル
フィンテック
フードテック(製パンロボットやカクテルとボットも)
仕事の未来(パワーアシスト、作業サポート技術)
ゲームとエスポーツ
ハイテク小売・電子商取引
ホーム・エンターテインメントとオフィス・ハードウェア
投資
IoT/センサー(日本のセンサー企業さんも参加)
メタバース
NFT
ロボティクス(フロアに踊るロボットたくさん、ソニーのアイボもいます)
スマートシティ
スマートホーム(毎年アマゾンが大規模展示を行います)
スペーステック
スポーツテック
スタートアップ(ユリーカパークという特設会場日本からも多く展示!)
サステナビリティ
旅行と観光
自動車技術と高度な航空モビリティ(空飛ぶタクシーヘリコプターも)
ウェルネス・テクノロジー
CESの開催時期と場所は?
CESは毎年1月にネバダ州ラスベガスで開催。毎年同じ場所、時期に開催されています。
2024年1月9日(火)~1月12日(金)
場所は複数会場ですが、メインは2つ
LVCC(ラスベガスコンベンションセンター)
Venetian Expo/ Sands (ベネチアンエキスポ 最近改名されたが地元では「サンズエキスポ」で知られる)
どちらもカジノ街の通称「ストリップ」沿い。ベネチアン(サンズ)エキスポはカジノ街にありますのでストリップに宿泊される方は徒歩で参加可能ですが、LVCCはストリップの北端にあり、徒歩ではちょっと辛いです。
(ちなみにベネチアンエキスポは前回ご紹介したラスベガスの新アトラクション「スフィア」隣接)
CESの参加登録は?
毎年9月頃に翌年1月開催のCESの参加登録が始まりますのでオンラインで事前登録をしてください。
登録が終わるとQRコード付きの完了Eメールが送られてきますのでそれをバッジ交換場所でスキャンしてバッジを受け取ります。
毎年約11万人が参加する大展示会ですのでバッジ受け取り所も多数準備されています。各会場当日(特に初日)はとても込み合います。CES開催2、3日前からストリップ沿いのホテルやラスベガスの到着空港にも複数スタッフがスタンバイするバッジ受け取り所が設けられますので行列が少ないなとおもったら早めにバッジ交換しておくことをお勧めします。
CESレジストレーションはこちらから
費用は?(CES登録無料になる裏ワザ)
全展示会場へのアクセスと複数のスピーカーセッションへの入場が含まれます。ただし、登録はお早めに。CES2024の場合登録受付開始の9月から12月5日までなら$149ですが、それ以降~当日までは$350に値上がりします。毎年大体同じようなタイミングで値上がりするので、参加が決まったらすぐに登録を済ませましょう。
また、この参加費用は1~2年連続参加すると無料になるケースが多くあります。連続で参加をする場合は9月頃に届くCESからのメールを気をつけてチェックしてみてください。「Registration for CES 2024 is Now Open 」のようなタイトルのメールが届くので、中をチェック。すると
「As a valued CES alum, you’re eligible for complimentary registration* through Oct. 11.」
とあれば無料。但し上記のように10月11にまでと期限がありますので、これを受け取ったらすぐに登録を
CES登録無料になる裏ワザ
上記の無料メールは1、2年連続で参加された本人にのみ有効なものなのでこれから参加の方には難しいです。
しかし、CES展示に興味があると問い合わせをされた方などには催促メールの一環として「無料登録差し上げます」というマーケティングメールが届くことが多々あります。そして、このメールは受け取った本人以外にも数名無料で招待できるというリンクがついているのです!
なので、もしそういった方が周りにいる方は是非CESからのメールに気をつけてみてください。
無料クーポンが潜んでいる確立大です。
CES2024視察キーポイント
キーポイント①1日づつ会場を分ける
特別に伺わなければいけない企業さんが他のロケーションにいらっしゃらない限り、ほとんどの方がCESで訪れるべきなのは2箇所:LVCC(ラスベガスコンベンションセンター)と Venetian Expo/ Sands (ベネチアンエキスポ)。しかしこの2か所徒歩では移動が難しく、ウーバーやタクシーも混み混みなので会場間移動はかなり時間の無駄。1日づつ会場は分けてまわるのがおすすめです。
CES展示会1日目
CES視察は大体2~3日間みっちり使うと見ておくのが妥当。
そして1日目はベネチアンエキスポに行くのがベターチョイスです。
というのもLVCC(メイン会場)にはサムスンやトヨタ自動車、ソニー、パナソニックさんなど大企業の展示が集まっており、初日は毎年各社の「最新お披露目!」イベントやその速報を報道するメディアで大盛り上がり=超混雑。
よって1日目はベネチアンエキスポからまわります(こちらも大盛り上がり)。
CES展示会2日目
そして2日目にLVCCへ。
宿泊先のホテルから直行でLVCCへ向かい1日中こちらで見学をします。メイン会場を回るだけでも2~3時間はかかります。そして徒歩で同じ敷地内の別展示場へ向かいます。
この際の移動、せっかくなのでLVCCの地下を通る「テスラループ」で移動もおすすめ。テスラで移動する地下トンネル。まだ人が運転しているので完全自動運転は味わえませんが、、出張レポートのネタになります。
CES展示会3日目
3日目はオプション。弊社プリズムの場合はAさんが初日LVCC、Bさんはベネチアン見学。2日目は交代してBさんがLVCC、Aさんはベネチアン見学。そして2日目終わりでミーティングで観るべき企業情報交換して3日目全員で、もしくは手分けして重要箇所を回る。という具合に戦略的見学をしています。
キーポイント② CESアワードを活用する
3,200社、29の製品カテゴリーが出展されるという大規模展示会ですから、その中でも選りすぐりのコレというものを見落としてはいけません。また、時間に制限がある参加者の方はピンポイントで効率よく見回りたいもの。
展示会場を実際に歩く前に必ず下記「CES 2024 Innovation Awards」受賞製品をチェック。
これは毎年優れたデザインやエンジニアリング製品を表彰するもの。その年の選りすぐり製品が名を連ねます。
また、ベネチアンエキスポの展示会場横にあるボールルームでは受賞商品を集めた展示会場がありますのでそこで一気に見学するのも良い手段です。
「CES 2024 Innovation Awards」
キーポイント③ 物価高+展示会価格
元々物価が高いアメリカですが、展示会となるとなんでもかんでもありえない程の物価に跳ね上がります。
展示会の中には無料でスナックやコーヒーが各所で提供されることもありますが、CESは無料スナックやコーヒーバーなどはありませんのですべて購入になります。
LVCCも、ベネチアンエキスポもフードコートの食べ物も飲み物も高いが決して美味しくないです。
サラダ、丼ぶりのようなボウル、ハンバーガーなどいろいろあるものの全て$13 ~18
お水含む飲み物も $ 4~5
+チップ(支払う際に15%~25%の選択画面があります)
今の超円安だとかなり高いですね。
よって朝は宿泊先のホテルやホテル内のスタバなので朝ごはんしっかりとることをお勧めします。 また、展示会場でいろいろ見ているとご飯を食べにフードコートまで戻るものちょっと遠くて面倒・・。またランチ時は行列ができるので時間の無駄です。
会場内のコーヒーカートなどで軽くスナックを食べたら大丈夫!
あっという間に午後になるでしょうからそのまま頑張って会場外で美味しいディナーを楽しんでください。
キーポイント④ 体調管理とても大事・・・。
これは当たり前ですが、私も毎年CES前は特にビタミン剤、体力アップして臨んでいます。
会場でも殺菌ジェルは欠かせません。
コロナ全盛期は終わったものの、とても寒い冬のラスベガス(平均気温最低3度~15度)日向はとってもあったかくとも夜は寒い。会場内では汗かくあったかさでも会場間移動は寒い。寒暖激しいラスベガスでは体調を崩しやすいです。また、毎年CESで風邪ひく人も多数。ゴホゴホ言いながら参加する風邪ひきさんもたくさん参加しています。
(参加するべきじゃないな、という風邪ひきさんもいます・・)
特にスタートアップが集結するベネチアンエキスポ1階の通称「ユリーカパーク」エリアは肩と肩が触れるほどのぎゅうぎゅう混雑。気になる方はマスクを。最近アメリカンも気になる人はマスクをするようになりました。
キーポイント⑤ 案内役、通訳さんを活用その場で商談
これは⑤ですが、もっとも重要。各社の製品、まだ市場未公開の製品を観ることができるCESを大活用するには英語でコミュニケーションをとることが重要。また、アメリカの展示会は日本の展示会のように穏やかなものではありません。ガンガン当日にアポ、もしくはその場で商談を進めます。
折角遠くからコストをかけてCESを訪れているのであれば後日にEメールではなく、その場で情報を確保し、必要であれば商談に進めましょう。CESは世界一のイベントであるので、各社決裁権をもったマネジメントもラスベガスを訪れていることが多くありますので是非その機会を有効活用してください。
以上、【はじめての方必見】CESベテランがお届けするCESラスベガス2024視察ガイド をお届けしました。
弊社プリズムソリューションズではテクノロジー業界の知見を活かしてCESでのご案内や商談のお手伝い。またその後のアメリカ進出サポートも行っています。2024年、または将来的にご参加をお考えの企業様はご遠慮なくご相談ください。詳細、お問い合わせはこちらからどうぞ。
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