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執筆者の写真Prism ラスベガス

スタバにも罪悪感そそる「チップ画面」

更新日:7月9日

アメリカンの生活に欠かせないスタバ。長年愛されてきたスタバが今「チップ問題」の渦中にあります。


2022年12月から各地のスタバに新しいPOS決済ターミナルが設置され、クレジットカードで支払いをする際に今アメリカで急増中のあの罪悪感そそる「チップ画面」が登場。これが予期せぬ注目を浴びているのです。

さて、この罪悪感そそる「チップ画面」とは?



アメリカでは当たり前、魔の「チップ画面」

近年アメリカではお店で物を買う時、特に飲食店などではお金を支払う際に店員さんが「くるっと」POSの画面をお客さん側に反転して一言。


「一つ質問この画面に答えてくださいね」と言います。


このくるっと自分に回ってくる画面が「チップ画面」

そしてこの質問というのがチップのパーセンテージ。


全てのお店にあるというわけではありませんが、多くのお店で支払いの際このチップ画面が登場します。

画面には大体3つほどボタンがあって、それぞれ「18%、20%、25%、カスタム」とあります。そしてとても小さい、薄い文字でちょこっと「ノーチップ」。これはお店の設定によって表示はかわるので「15%、18%、20%、30%」などという場合もあります。


お店によってはこの並び方がまた戦略的で一般的な並びとは逆に高パーセンテージが左上にきているので思わず30%を押してしまったり・・・・


どちらにしても、いずれかのチップパーセンテージか「ノーチップ」を選択しないと支払い画面に進みません。

そして、、、またこの画面が見やすく大きいので・・みんなに何パーセント選んだか丸見え。


けちけちできません。


いつ、いくらチップを渡す?

アメリカはチップ文化ですからサービスに対してチップを渡します。また、各州の労働法でもチップを受け取る仕事の場合は州の最低賃金を支払わなくてもよいという場合もありますので一部の店員さんやウェイターさんにとってはチップは重要な収入源でもあります。


一方で、、、最低賃金が15ドル+チップという好待遇もありますので一概にチップが重要な収入源といえない場合もあります。


アメリカでチップを渡すのは一般的にテーブルサービスのあるレストランやバー、その他「サービス」を受ける場合。もしくはチップを渡しておくことで良いサービスを期待する場合で、大体合計の20%ほどを目途にサービスのよき悪きによって判断して渡します。(チップはその人に全額渡される場合とシフト全員で分割される場合があります)


金額は個人それぞれですが、一般的には


レストラン(20%~。サービスが最悪の場合でも15%)

コーヒーショップ(1杯につき1ドル~2ドルほど)

バー(20%~、もしくはビール一杯につき2ドルほど)

ホテルやタクシー、ライドシェアなど(15%~20%)

エステ、ヘアサロン、ネイルサロン、マッサージなど(20%~)

スタバにも罪悪感そそる「チップ画面」

Photo by Clay Banks on Unsplash

スタバにも罪悪感そそる「チップ画面」

最近行き過ぎの「罪悪感」そそるチップ文化


従来は前述したような場のみチップを渡していましたが、最近大画面のPOS決済ターミナルの普及と同時にこれら以外でも「チップ画面」がでてくるようになりました。


例えばパン屋さん、ジュースバー、セルフサービスのレストラン、クリーニング屋さんや今回話題となったスターバックス(個人経営の小さなコーヒーショップなどはみんなビジネス応援にチップを渡すことにはあまり抵抗はないのですが、スタバのような大企業となるとちょっと違う様子)。


そしてこのチップ画面、商品を受け取る前の決済時に出てくるので実は商品やサービスを受け取る前にチップを渡すということになります。以前は「チップジャー」といわれるチップ入れがレジ横においてあり、チップを渡したいと思った時はそこに現金を入れるという文化でしたが、決済のデジタル化と共に決済画面上の「チップ画面」が普及。チップ%もしくはノーチップボタンを選択せずには支払いができなくなってきています。

スタバにも罪悪感そそる「チップ画面」

レジ横に置かれているチップジャー。半端な小銭のおつりとじゃらっと入れるもOK。1ドル2ドル札をさらと入れるもOK.チップを渡したい時にいれる古き良きチップジャー

この半ば強制的にチップを選択させる「罪悪感」チップ(ノーチップを選択すると向かいに立っている店員さんもすぐわかるのでお客さんは罪悪感・・・)が今物議をかもしています。

ある、消費者2000人への調査ではこのチップ画面について回答者の約68%が、このチップ画面と目の前に立ってそのチップ選択肢を見ている店員さんのプレッシャーで仕方なくチップを渡したと回答。そして約87%がとても気分が良くないと回答しています。


そんなとても高プレッシャーのチップ画面はどんどん普及が進んでいます。コロナ直後は低迷していたサービス業をサポートする為、多めにチップを払ったりしていた消費者ですが、近日の物価高騰に自分もそれどころじゃないという感じ。


そこへきてはじまったスタバのチップ画面。予期せぬ悪反響で話題になってしまいました。。。(新しいPOS導入してここまで話題になるリテーラーはまず他にはないでしょう)

前述の通りアメリカのチップ文化はあくまでも良いサービスの対価という考えと、組織的に組み込まれたサービス業従事者への給与とみられる考え方があります。また、消費者としてもちょっと良いサービスを受けたい時に前もって余分にチップを渡しておくという場合もあり、チップを渡す側、受け取る側も暗黙の了解のもとのやり取りがあります。


それにしても店員さんがじーっと見つめる中でチップ%を選び、支払いをするのはあまり心地が良いものではありませんね。これからアメリカチップ文化はどう進んでいくのでしょうか。




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