Prism ラスベガス
「RUN – HIDE – FIGHT 」(逃げる、隠れる、戦う)」
アクティブシューター(銃乱射)事件が絶えないアメリカ。
21人の児童と教員が死亡したテキサス州ユヴァルディ小学校襲撃事件は日本でも報道されていると聞きます。2022年6月までで既に300件の銃乱射事件が発生しており、アメリカ中不安が蔓延しています。ラスベガスではここ1週間で2回も「乱射事件の疑い」からのパニック騒動が発生。人が多く集まる場所で大きな音が発生すると一瞬で人々の表情が固まります。
アメリカでは成人の約32%が個人的に銃を所有、44%の家庭には銃が保管してあります。多くは強盗犯や事件に巻き込まれた際の護身用。先日発生したショッピングセンターの襲撃では一般市民が銃撃犯を射殺して大惨事を防止したという例もあります。それでも日々にも回りにある銃の数は多く、それが凶器として利用されることは防ぐことができません。
そんな銃社会のアメリカでは児童も、職場でもアクティブシュータートレーニング(銃撃にあった場合の対応トレーニング)が行われており、「RUN – HIDE – FIGHT (逃げる、隠れる、戦う)」という3つの言葉をかかげて安全訓練が行われます。これはアメリカ国土安全保障省からも発表されている対応方法。我が家でも「決してヒーローになるな、銃撃犯には立ち向かうな、RUN – HIDE – FIGHT」と教えています。
今回はアメリカへ旅行される際など、銃撃発生現場に居合わせてしまった場合に覚えておくべきアメリカ国土安全保障省からも発表されている「RUN – HIDE – FIGHT 」対応方法をご紹介します。もちろん、これはプロトコルにすぎないのでその場のシチュエーションに応じて行動が必要です。ではいざという時の為にご熟読ください。
「RUN – HIDE – FIGHT 」(逃げる、隠れる、戦う)」
まず、銃撃だ!と緊急事態が発生した場合は呼吸を一息ついてできるだけパニックを避けます。そんな状況で難しいとは思いますができる限り「安静に」。そして「RUN – HIDE – FIGHT (逃げる、隠れる、戦う)」に従います。
RUN逃げる
避難経路がある場合は、避難。
学校や職場などでは必ず避難経路と計画を立てておく。
他の人の同意がなくても避難する。
自分の荷物は置いていく。
可能であれば、他の人の避難を助ける。
犯人がいそうな場所に人が立ち入らないようにする。
手を見えるところに置いておく警察官の指示に従う。
負傷者を動かそうとしない。
安全が確認されたら、911に電話する。
HIDE 隠れる
避難が不可能な場合は、犯人に見つかりにくい場所に隠れる
隠れる場所は次の通りにする:
犯人の視界に入らないようにする。
自分に向かって発砲してきたときに身を守ることができる場所。
ドアに鍵がかかっていること。
逃げられるようになったら逃げられるように移動に制限がない場所。
銃撃犯が隠れ場所に来ないように
ドアをロックする。
部屋の中がみえるような箇所は何かで覆って中が見えないようにし、ドアには家具などでバリケードをする。
犯人が近くにいる場合
ドアをロックする。
携帯電話などの音を切る。
雑音源(例:ラジオ、テレビ)を消す。
大きな物(例:キャビネット、机など)の後ろに隠れる。
静かにする。
避難や隠れることができない場合
できるだけ 落ち着く。
可能であれば911(アメリカの110番)に電話、犯人の居場所を知らせる。
話すことができない時は、回線をつないだままに、警察官が話を聞けるようにする。

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FIGHT戦う(犯人に対して行動を起こす)
最後の手段として、自身の命に危険が迫っている場合のみ、以下の方法を試みる。
次の方法で、犯人を混乱させ、無力化する。
可能な限り攻撃的に犯人に対して危害を与える。
物を投げたり、即席の武器を用いる。
大声で叫ぶ。
警察が到着した時の対応と911との対応
そして、もっと重要なのが警察が到着した際の行動です。
アメリカの警察官は日常的に銃を所持しており、銃撃現場の場合はSWATなどの武装警察も出動します。混乱した現場の中で安全に避難できるように、警察官の妨げにならないように、そして犯人や共犯者を間違えられて警察に射殺されないように。下記の重要ポイントを覚えておきましょう。
警察官が到着したときの対処法
警察官について覚えておくこと
警察官の目的は、銃撃犯を一刻も早く止めることなので、警察官は最後に銃声が聞こえた場所にまず向かいます。
警察官は通常4人1組で到着します。
単独で到着しすることはまずありません。「もう出てきていいよ」などという犯人のウソに惑わされないように。(犯人が警官を装っている可能性もあります)
警官は通常のパトロール用ユニフォームまたは外付けの防弾チョッキ、ヘルメットを着用しています。また、 警官はライフル、散弾銃、拳銃で武装している場合多いです。
警察官が自分のところに救助に到着したときの対処法
冷静さを保ち、警官の指示に従う。
手に持っているもの(バッグ、上着など)を置いていく。
すぐに手を上げ、指を広げ、両手は警官に常に見える状態にしておく。(これは犯人や共犯者に間違われることがないように)
安全確保のため、警官にしがみつくなど、素早い動作は避ける。
指差したり、叫んだり、大声を出したりしない。
避難する際は、立ち止まって警官に助けを求めたり、指示を仰いだりせず、ただ警官のいる方向へ進むこと。
警官が建物に入ってきた方向へ進むこと。

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警察または911オペレータに提供すべき情報
犯人の位置
犯人の数(把握している範囲)
犯人の身体的特徴
犯人が所持している武器の種類と数
その場所にいる潜在的な犠牲者の数
以上、想像するととても恐怖に襲われるシナリオですが、残念ながらこれは小学生などにも教えられている対処法です。いざという時の為に頭に入れておいてください。