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  • Writer's picturePrism ラスベガス

これがIRカジノリゾートのエンターテインメント

前回の「カジノとは」から引き続き、今回もカジノのいろんな基本情報をお届けします。カジノは違法、合法?といろんな誤った情報が錯乱している日本の皆様へアメリカラスベガスカジノの例を元に「カジノ」について色々な角度からご紹介します。

今回はアメリカに存在するいろいろなギャンブル/ゲーミング(もちろん合法です)施設の中でも一番聞いたことがある、またテレビで観たことがあるであろうコマーシャルカジノ(以下カジノ)をご紹介します。

ラスベガスのカジノとは?

映画「オーシャンズ11」の舞台となったベラッジオカジノと言えば雰囲気がわかりやすいでしょうか。24時間365日賑わう巨大リゾートです。ラスベガスにはこうした大型カジノが30件ほど軒を連ねるカジノ街(通称:ストリップ)とストリップからちょっと北ダウンタウン地域にあるカジノ街があります。そして郊外に地元密着型のカジノが数件点在します。

ストリップ街にある約30ほどのカジノは実は3~4社の上場企業によって経営されています。例えばオーシャンズ11の舞台となったベラッジオカジノはMGMリゾーツインターナショナル社(以下MGM社)が経営するカジノ。

MGM社はニューヨーク株式市場上場企業で27つのカジノリゾートを経営、グループ全体の総売上は約一兆円という大企業。MGM社は現在日本の大阪でのカジノ開場へ向けて力を入れています。

**ちなみにMGM社の前身は映画の最初にでてくる「ガォ~」というライオンのあのMGM(Metro-Goldwyn-Mayer Pictures)社。1924年に映画会社として始まり、1969年に新しい投資家によって買収された際にラスベガスカジノエンターテインメント会社として現在のMGMリゾーツインターナショナルができあがりました。**

ストリップの中心部。噴水を前に構えるのがベラッジオ、その右手奥がシーザーズパレス、手前のエッフェル塔があるのがパリスホテル。Photo by Stephen Leonardi

カジノは「エンターテインメント」

一般的な大型カジノリゾートにはカジノフロア、ホテル、レストラン街、ショッピング街、劇場、イベント会場、アウトドアプール・イベント会場などがあり、1軒の敷地の大きさはざっくり東京ドーム5~6個分くらいの大きさです。

スロットマシンやテーブルゲームがひしめき合うカジノフロアでのギャンブルは21歳以上のみですが、カジノフロア以外は家族で楽しめるリゾート。夏休みには全米から家族連れの行楽客が訪れます。

ラスベガスのカジノはカジノフロアはゲートなどで仕切られてはいませんので通り抜ける未成年は保護者とササっと通り抜け。もし未成年らしき人物がカジノフロアに停滞していると、どこからでてきたかというびっくりするスピードでカジノ担当者に「君21歳?身分証明みせて?」と声がかかります。

また、ちょっとでも不快な大声を上げるプレイヤーがいたり、問題をおこしている人がいるとこれもものすごいスピードでセキュリティが駆けつけ即対応。内容にもよりますが、一度問題を起こしてカジノ退場となるとそのカジノだけではなく系列カジノ全て立ち入り禁止となります。

全てのお客様に心地よく、ゲームを楽しんでもらい、美味しいものを食べ、コンサートを楽しんでもらいたいカジノはその「イメージ」確保にはとても敏感。ディズニーランドにも負けない「エンターテインメント」の場を提供しています。

そんなカジノの様子は今度現地レポートでじっくりご紹介します!

Photo by Stephen Leonardi

ギャンブルより、レストラン、コンサート

ラスベガスへは観光に、友達と思いっきり楽しみに!記念日に!といろんなお祝いに訪れる人でいっぱい。「カジノでギャンブルをするんだ!」というひとも中にはいますが、多くの人はラスベガスでおいしいものを食べて好きな歌手のコンサートを観て、友達とわいわい遊ぶ。というのが目的。

友達同士の婚前パーティ「バチェラーパーティ(新郎グループのパーティ)」や「バチェロレッテパーティ(新婦グループのパーティ」や21歳(アメリカの成人)の誕生日、結婚記念日や節目の60歳の誕生日!などいろんなことをお祝いにも訪れます。

(ストリップを歩いていると「もうすぐ新婦」「誕生日ガール」というタスキを肩からかけた女子グループやベールのついたティアラを頭にのせたガールズ、「60歳パーティー」と書いたお揃いのTシャツを着たグループを何組も見かけます)

Photo by Zoriana Stakhniv

そして、ここぞとパーっと遊びに来ている来訪客はとても羽振りが良い!

各カジノではそんなテンションの高いお客さんを喜ばせようと世界から有名シェフがレストランを出展。ラスベガスは一か所に多くの一流レストランが集まることでも有名なのです。

ラスベガスの各カジノにはそれぞれ必ず看板レストランの「一流ステーキハウス」や○○シェフのイタリアン、○○シェフの和風フュージョンレストランなどが出展されています。

カジノでギャンブルをしにくるというよりはみんなでワイワイバーや噂のレストランでお食事をしに来るという人が近年増加。

Photo by Marcus Herzberg

またレストラン以外にラスベガスが全米、全世界から人を集めるのが有名アーティストのコンサートとシルクドソレイユのなどのエンターテインメントショー。レストラン同様、各ホテルには必ずイベント・コンサート会場があり、毎晩ショーやコンサートが行われています。

有名アーティストの多くはカジノと「レジデンシー(直訳すれば住人)」契約をすることによりラスベガスで年間一定期間の間毎晩のようにコンサートを開催。そしてシルクドソレイユも各カジノと契約、いろいろな看板ショーを毎晩開催しているのです。

若者にはナイトクラブでのイベントも人気です。こちらもレストランやコンサート同様、各ホテルには「看板ナイトクラブ」があり、有名セレブやDJが登場、パーティを盛り上げています。

Photo by anna-m. w.

ラスベガスといえばカジノでギャンブルというイメージが強いようにも思われますが、近年ではギャンブルはしないが、コンサートに訪れたりレストランやスペシャルイベントのために訪れる来という訪客も多く、カジノ企業の収益はギャンブルが行われるカジノフロアだけではなくカジノリゾート全体のエンターテインメント施設から生まれているのです。

日本の「統合型IRリゾート」とはこういうラスベガスの巨大エンターテインメントカジノの発送からうまれたものなのですね。近年のラスベガスでの傾向をみているとカジノだけではなく、統合型リゾートで挑戦をというのは正しい試みだと思います!

しかし、海外からの多くの来客を想定している日本のIRリゾート、時々世界の場ではちょっと残念と言われてしまうこともある日本の独創的な「エンターテインメント」。IRリゾート開業の際には世界を「おおォ」といわせるようなものを作り上げてほしいですね!

Photo by Parsa Mahmoudi


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