Prism ラスベガス
アメリカ在宅テレワーク最新トレンド【前編】
今回はアメリカ在宅テレワーク最新トレンド【前編】をお届けします。
アメリカと日本ではもちろん文化背景や人事体制などが異なりますがコロナ明け?を迎えニューノーマルがはじまったアメリカでは在宅ワーク延長や働き方に変化が起きています。
「コロナ中に買い始めたうちのワンちゃんはママ(自分)がずっとお家にいるものだと思っているので毎日留守はもうできないから仕事にいけないの」とか、「コロナ中通勤しなくてよかったから郊外に家買っちゃったのでもうオフィスには遠すぎて通勤できません」とか、、「オフィス復帰!と言われたら仕事辞めて家でTikTokで稼ぐ」とか・・・。
まぁなんともアメリカンな派手な理由が飛び交うこともありますが
そんなワークライフスタイルトレンドに沿うべく多くの企業が在宅ワークを取り入れ始めています。そこで今回は他方で行われたアメリカ在宅ワークのプロダクティビティ調査のまとめをご紹介します。ちょっと調査まとめが多いので前編と後編にわけてお送りします!
アメリカ在宅テレワーク最新トレンド
アメリカの在宅テレワークの背景
2019年コロナ以前の在宅ワーク背景
2019年 在宅ワーク率24%、オフィスワーク82%
在宅ワーク者には、コンサルタントやマネジメント層、プロフェッショナル職が多かった
在宅ワークには業界によってはスティグマもあった

Photo by cottonbro from Pexels
↓
2020年コロナ中
一部調査では全米約70%の正社員が在宅ワーク

Photo by cottonbro from Pexels
↓
2021年コロナ後
ある調査では回答者80%がこれからも少なくとも週3日の在宅ワークを期待
2人に1人が在宅ワークオプションがないと会社を辞めると回答
46%が在宅ワークができないならある会社に転職すると回答

Photo by Los Muertos Crew from Pexels
アメリカ在宅テレワーク最新トレンド:アメリカの在宅テレワーク調査結果まとめ
~その①アメリカ全米経済研究所の調査~
<調査まとめ>全米経済研究所 2021年5月発表20-64 歳、年収 $20,000 以上、約30,000人への調査では生産性の低下への懸念、コスト、ネットワーク整備に関連する課題など、在宅ワーク緊急の必要性によってこれらが一掃され、2021年の調査ではコロナ前の予想より案外良い結果がでていることが明らかに。
従業員の皆さんに質問:コロナ後、どれだけ自宅ワーク時間が欲しいですか?
→ 多くの従業員は週2、3日以上の在宅ワークを希望
従業員の皆さんに質問:WFH前の期待に比べてWFHプロダクティビティはどうだったか?
→ あまりかわらない、もしくはプロダクティビティがあがった
従業員の皆さんに質問:在宅ワークVSオフィスでの効率は?
→ 変わらない45%、在宅の方が効率UP18.2%、在宅の方がよっぽど効率UP13.2%

Photo by olia danilevich from Pexels
アメリカ在宅テレワーク最新トレンド:アメリカの在宅テレワーク調査結果まとめ
~その②アジア圏大手IT企業調査~
<調査まとめ>アジア拠点の大手IT企業の10,000人の従業員を調査した結果では
在宅ワーク期間中、従業員が総労働時間を約30%大幅に増加
従業員は目標達成を続け、各従業員のアプトプット、評価に大きな変化はなかった。
ということは在宅ワークでプロダクティビティが低下、結果長く働いているということ。目標は変更されないが、労働時間は増加しているため、生産性が大幅(20%)に低下したと推定。
一方、在宅ワークでは従業員のプロダクティビティが低下しているとみえますが、それでも従業員の皆さんは同じ出力または目標を達成することを目指している。よって在宅ワークでも従業員はきちんと仕事をこなす、ましてやオフィスと同じ結果になるまでより多くの時間を費やしてでも作業を行う傾向があるという見方もできます。
従業員の皆さんに質問「プロダクティビティ低下の理由は?」
o 公式および非公式の会議、特にビデオ会議に多くの時間を費やしている o 中断することなく作業に費やす時間が大幅に短縮された o コーチングや上司との1対1の会議でアドバイスを受ける時間が減少
従業員の皆さんの家庭環境によるプロダクティビティの違いは?
o 家に子供がいる女性といない女性を比べたがプロダクティビティに特に差はなかった o 家に子供がいない男性は子供がいない女性より0.2時間少なく働き、アプトプットは子供 同じく家に子供がいない女性にくらべ0.9%上昇。 o 家に子供がいる男性は子供がいる女性に比べ労働時間が増加、アウトプットには変化なし
勤続年数や役割によるプロダクティビティの違いは?
o 経験豊富な従業員は経験の浅い従業員と比較して1日あたり約15分多く就労 経験豊富な従業員には管理職が多く、チームメンバーなどとの連携など管理仕事が多いので仕事を確実こなすためにより多くの時間を費やしている様子。
(オフィスで声をかけることができないのでスラックやスカイプで問いかけ、返答を待つというコミュニケーションのタイムラグもかさみますね)

Photo by Ketut Subiyanto from Pexels
アメリカの在宅テレワーク調査結果まとめ
~その③マイクロソフト社の社内調査~
<調査>20年3月~21年5月に2回に分けて行われたマイクロソフト社のエンジニアリング職社員3,634人対象のプロダクティビティ調査では下記が明らかに
1回目調査対象:本社3500人デベロッパー、1500人プログラムマネージャー(うち回答者1369人)2回目調査対象:全米9000人のデベロッパー、プログラムマネージャー、データサイエンティスト(うち回答者2265人)
まとめると
• 在宅ワークでのプロダクティビティはオフィスとは変わらず、もしくは少々向上した。 • フレキシブルな時間活用や家族との距離の縮まり、通勤時間ゼロ(仕事時間長い)という要素がポジティブにでたエンジニアとネガティブにでたエンジニアにわかれた。
従業員のみなさんに質問、在宅ワークのプロダクティビティは?
1回目の調査では:
プロダクティビティは変わらない 32%
在宅の方がプロダクティビティがやや下がった32%
在宅の方がプロダクティビティがやや上がった22%
在宅の方がプロダクティビティが結構上がった8%
在宅の方がプロダクティビティが結構下がった6%
2回目の調査では:
プロダクティビティは変わらない 32%
在宅の方がプロダクティビティがやや下がった26%
在宅の方がプロダクティビティがやや上がった26%
在宅の方がプロダクティビティが結構上がった11%
在宅の方がプロダクティビティが結構下がった6%
従業員のみなさんに質問、在宅ワークのメリットは?
通勤なし!
o 時間なし→子供との時間増加 o 通勤ストレス解消→睡眠時間増加
通勤に関してはこのほかに「通勤コストがかからない!」という回答も多かったのです。これはアメリカならでは。アメリカでは日本のように会社からの交通費や補助の支給がないので毎年20万円~50万円かかる通勤コストがかからないというのはなんとも嬉しいメリット。
フレキシビリティ!
o 自身でスケジュール調整ができる o 休憩時間に洗濯やエクササイズができる、通勤後の予定へ移動の時間短縮 o アイデアがでたらその場でパソコンに向かうことができる、仕事の時間待ちの活用が有効
仕事環境がいい!
o オフィスより自宅のオフィスの方が落ち着く、心地よい場所で働ける o オフィスの装いをしなくてよくホームウェアで仕事ができるのでリラックス o 周りの人たちのプレッシャーや目線を気にせず働ける o 家族(特に子供)とちょこちょこコミュケーションが取れる
在宅ワークの問題や課題は?
o コネクティビティ(WiFi、VPN、リモートデスクトップアクセスなど) o 家族とコミュケーションとれるが家族からある程度家庭内の用事をこなすことが要求される o 同僚と気軽にコミュニケーションがとれない(同じコミュニケーションに2倍~3倍の時間がかかる) o 在宅ワークだと反対に休憩、ダウンタイムがないような気がする。 o 家のオフィスがないのでキッチンテーブルで仕事をしていたが、もし今後在宅ワークになるのであればデスクを買ったりして環境を整えたい

Photo by Matilda Wormwood from Pexels
以上、まずは3つの調査から在宅ワークとプロダクティビティについての報告をまとめました。
後編ではこれらの結果を元にアメリカ企業が提案しているの最新の在宅ワーク対応策についてご紹介します。そしてこの在宅ワークトレンドの背景にある、ある意味「最強」のアメリカ主要ワーキング世代であるミレニアル世代やジェネレーションZ世代の世代背景についてもご紹介しますのでお楽しみに。