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アメリカ在宅テレワーク最新トレンド【後編】

今回はアメリカ在宅テレワーク最新トレンド【後編】

アメリカ在宅テレワーク最新トレンド前編では3つの在宅ワークプロダクティビティについての調査のまとめをご紹介しました。(まだご覧になっていない方はまずこちらの前編からどうぞ)

今回はこれらの傾向をもって2021年6月~7月現在の今、アメリカ企業が戦略建てしているこれからの働き方環境について、ご紹介します。

アメリカ在宅テレワーク最新トレンド

なぜコロナ明けも在宅ワークが続くトレンドになっているの?

ちなみにこの在宅ワークトレンドはコロナによる急な非常事態宣言の発令やオフィスクローズという事情によってやむを得ず始まった働き方でしたが・・・

コロナ開ければ元にもどる=オフィス通勤100%再開?と思いきや1年間この新しい働き方を経験したアメリカンワーカー、企業はこの働き方もいいかもしれない?と思い始めたことがこのコロナ後の在宅ワーク採用トレンドにつながっています。

そして前編でお伝えしたようにコロナ明けも「最低週3回は在宅ワークがいい!」「家庭もそういう環境になっているから私は在宅ワークできる会社に転職するわ!」というトレンドを発信しているのはアメリカの主要消費者層&主要ワーキング世代である。ミレニアル世代 と ジェネレーションZ世代の働きざかりの若年層ワーカーたち。

ちょと予備背景知識:アメリカ特有の背景(ミレニアル層、ジェネレーションZ世代)

ミレニアル層、ジェネレーションZ世代とは・・・・

  1. 現在の35~38歳以下層の若年層(ミレニアル層、ジェネレーションZ世代)は「自分の時間」「クオリティオブライフ」を重視、環境や社会貢献にちも敏感な層でデジタル時代に育った層。

  2. 同時にリーマンショック後の経済低迷期に育った世代とその子供達の世代で、リスク回避傾向があり、ローンは組まない。車は買わない。経済的に縛られることを嫌がり、また一方で経済的欲望が乏しいともいわれている世代。

  3. 頑張って働いてリーマンショックのような目にあうよりは今のうちに楽しい人生を送ろうという願望が強く、従来の仕事と家の行き来の定住生活より旅行など含む新しい体験や経験、旅ブロガーや自分の趣味や好みを楽しみながら仕事をできる自由なスタイルを好む。

  4. 自由なライフスタイルを好み「結婚しない」「子供を持たない」「家を購入しない」「車を買わない」傾向があることで有名。好きな場所で好きに働くこと、デジタルノマドが多いのもこの年齢層。

ミレニアル層、ジェネレーションZ世代の在宅ワークへの意見は・・・・

  1. この世代が回答者の64%を占める調査ではコロナ後92%が週に1回は在宅ワークが必要だと回答、80%が最低でも週に3回は在宅ワークが必要と回答。

  2. この若年層には自分の時間をつくることができる在宅ワークにすることで給与が減ってもいいという声も多く、31%が在宅ワークをするために5%までの給与減額もOK、26%が10%までの減額もOK

  3. 会社が在宅ワークを与えてくれないのであればある会社に転職すると回答。

  4. コロナで通勤がなくなったので住みたかった場所からリモートで働き始めたという声も多くある(結果、現在物価が高いカリフォルニア州からテキサス州など物価が安い場所への引っ越しが殺到中。リモートから働きやすいITエンジニアはフロリダ州など気候の良いところへ引っ越しブームだそう)

Photo by Samson Katt from Pexels

アメリカ在宅テレワーク最新トレンド

アメリカ企業側の今後の対応は?

米国当局(INEGI)のデータによると、アメリカ国内873,564社のうち在宅ワークを永続的に維持することを意図しているのは全体の5.7%。この調査によると

  1. 中小企業(10.8%)と零細企業(5.1%)が最も在宅ワーク採用に消極的

  2. 大企業の30.4%は、2020年コロナ中に報告されたものと比較して、3.5ポイント減少したものの、コロナ明けの今後も在宅ワークを採用する傾向にある。

  3. アメリカン従業員の3人に1人がオフィスに戻るように求められた場合に辞任する意思があることを考慮すると、企業はオフィス、在宅ワーク両方の採用を考慮必要がある。

シスコの調査 「ハイブリッドワークプレイスの出現」によると、10社中6社がコロナ明け後在宅ワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワークの取り入れを検討している。

企業によって採用されている、または採用される予定のあるハイブリッドモデル

在宅ワーク+オフィス出勤:週2、3回オフィス出勤と在宅ワークの組み合わせ

フレックス制:雇用主が決定したパラメータ(投下時間、目標の達成など)に基づいて仕事時間や場所を選択できるシステム

圧縮ウィーク:フレックスに似ていますが、雇用主が決定したパラメータに基づいて時間調整、必ずしも「月~金曜毎日XX時間労働」にはせず時間を調整する。ある意味正社員のシフト制?

ワークシェアリング :一つの正社員の仕事を2人のパートタイマー(または就労時間削減)でこなす(これはいくつかの調査結果でも明らかになった「従業員は自由な時間を作るために今より少ない給与を受け入れる意思がある」という報告結果を元にしたもの」

時間のバンク : すでに在宅ワークに慣れている人には魅力的ではないが、余分に働いた時間をバンクしてそれを自由時間に使用するというもの。例:月曜と火曜に8時間労働のところ余分に10時間(4時間余分)に働いたので金曜は半日で終了

実際どんな在宅テレワーク制度が採用開始されている?

アメリカでは元々IT企業などは在宅ワークを採用している企業も多かったという背景があります。また、カリフォルニア州など車通勤が多いエリアにおいてはコロナ以前から在宅ワークの方が「環境にやさしい」(事実は不確か)という見方もあり、企業メッセージとしてエコ支援で在宅ワークを提唱していた企業もありました。

全体的な傾向としてはテクノロジー、IT系は元々在宅ワークOK、フレキシブル体制などが多かったので今後もハイブリッド、完全在宅(希望する従業員向け)を取り入れる場合が多いト傾向がみられています。

一方金融系(例:ゴールドマンサックス)やIT以外の業種ではビジネス自体が在宅ワークに向いていない、もしくはコーポレートカルチャーが形成できないなどといった懸念からオフィスワークを継続(もしくは数日のハイブリッド)する企業もある様子。

Photo by Marc Mueller from Pexels

下記が2021年7月現在のアメリカ各企業の在宅テレワーク採用例

まだ試行錯誤中の企業もありますがこちらに一例を列挙します。(下記が適用されない従業員や、内容が変更される可能性もありますのであくまでも現時点での参考に)

Google

20%の社員を在宅ワークに切り替え。その他20%は元の社屋以外のグーグルオフィスで就業OKに。その他60%は通常のオフィスで週に数日勤務と在宅のコンボ。シリコンバレー社屋での勤務から物価の低い他州などへ引っ越して勤務する場合給与が下がる可能性あり

マイクロソフト

希望社員は就業時間50%まで在宅ワーク可能

アマゾン

オフィス職については週3日オフィス勤務、2日在宅ワークに変更

アップル

週3日(月・火・木)オフィス、2日(水・金曜)在宅ワークに変更。可能な職種に限る。

Twitter

2018年から元々在宅ワーク推奨していたこともあり、コロナ後完全在宅ワークOKに。

Square

完全在宅ワークオプション提供

Spotify

「My Work Mode」オフィスフルタイム、在宅フルタイムなど社員と直属マネージャーが自由に決定可能に。また世界中どこからでも居住でき、働けるようにHRポリシー変更中。

Salesforce

オフィス・在宅フレックス、完全在宅、 オフィス勤務の3つのチョイスを提供。

Facebook

現在ポリシー決定中:元々週1日の在宅ワークを認めていたのでそれは継続。2021年7月以降は50%ほどの従業員を永久在宅ワークへ切り替え(給与調整あり)予定。また、勤続年数が多い、シニアレベルの従業員を対象に完全在宅ワーク申請を受け付け(90%承認)しているが、対象外の他社員からクレームがあがっている・・・。

Dropbox

基本的に在宅ワークベースに変更。

Slack

完全在宅ワークOK(これに伴い従業員増員予定)。

REI

在宅ワーク推奨、本社キャンパス内ビルなど売却予定。

この他 Zillow、Gartner、Hitachi、Shopify、Coinbase、Siemens、Nationwide Insurance、Nielsen、Infosys、Mastercard、Fujitsu、VMware、Atlassian など在宅ワーク、ハイブリッド導入予定です。

いかがでしたでしょうか、一足先にコロナ明け、オフィスへ戻る時期にきたアメリカでは現場が今後の在宅ワークトレンドに対応。試行錯誤を重ね新しい働き方スタイルを提供し始めています。

勿論、文中にも記載していますが、交通費のありなし、残業代の制度ありなしなどアメリカと日本では人事に関する法律も規則も文化背景も異なりますが、コロナのような大きな変化があると日本でも何かが変わってくるでしょう。またその変化に対応できる心地よいワークプレイスを提供する為にも企業の人事戦略は変わってくるとみられます。

そんな変化の時期にそなえるべく、アメリカの現場より最新のトレンドをお伝えしました。

Photo by Alexander Suhorucov from Pexels

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