Prism ラスベガス
アメリカ消費者のハートをつかむリテール商戦②
今回は旬なアメリカ消費者傾向情報。2021年10月頃以降のアメリカン消費者の様子をお届けします。オミクロンの不安や、サプライチェーン問題(アジア諸国からの輸入の停滞+働かないアメリカン増加=物が見せに並ばない、アマゾン配達が滞る)、アメリカ物価超高騰(などなどリテーラーにとっては不安が山積みですが・・・
消費者は案外楽観的でショッピングを楽しんでいる?!
それでは最新の様子を見てみましょう
消費者は楽観的
以前の記事では10月のアメリカの物価は前年比6.2%増とお伝えしましたが、あれから物価は上がるのみ。11月には前年比6.8%を記録しました。
アメリカ政府の物価まとめをみてみるとよくわかります。お肉なんて12.8%増し。下の図はアパレルを例にとってみましたが、アパレルの物価も2020年4月頃(コロナ直後)にどんと下がった物価はとてつもない勢いで現在に至るまで急上昇・・・。
しかし、消費者はなんとなく楽観的、購買意欲も維持しています。

https://www.bls.gov のデータを元に作成

https://www.bls.gov のデータ
2021年12月発表のマッキンゼーによる調査では米国の消費者の44%が今後に関して楽観的であり、支出は前年比で11%増加。
特に楽観的なのは18歳~40歳までの収入1000万円以上の消費者。その次が同年代500万円~1000万円までの層、それに続くのが41歳~56歳までで、1000万円以上の収入がある消費者層、一番今後について楽観的ではなく、購入意欲がなかったのが57歳~75歳で収入が500万円~1000万円までの層でした。
年代別ではミレニアル世代が最も楽観的(62%)*またこの主要消費者のミレニアル層については別記事で彼らの傾向にフォーカスをおいてお伝えしようと思います。
ちなみに、ワクチン接種を受けた回答者の66%は、ワクチン接種を受けていない回答者の43%と比較して、将来についてポジティブ思考。
リモートワークなどのフレキシブルな働き方も消費者の今後に関するポジティブ思考に影響を及ぼしているようです。マッキンゼーによる同じ調査では 自宅で仕事をしている調査回答者は、オフィスで仕事をしている回答者よりも10パーセントほど多く今後の消費についてポジティブ思考でした。
アメリカン消費者は2021年12月からの6か月間で41%が食料品への支出の増加、33%がファッションへの支出、30%が健康と美容への支出の増加を予定しているそうです。

Photo by Kindel Media from Pexels
オムニチャネルは引き続き優勢
オンラインショッピング売上も引き続き力強い成長を遂げていて、2020年比で約35%増加。そんな中で以前から人気の「 オムニチャネルショッピング」(オンラインショッピングだけでなく、店舗、ソーシャルなど様々な販売チャンネルと連携をした販売方法)は依然としてアメリカン消費者の間で人気。
マッキンゼーによる調査ではなんと消費者の約60〜70%が、販売商品カテゴリ全体において路面店舗とオンラインの両方で購入前調査、商品を購入しています。
そしてご想像のとおり、ソーシャルメディアの影響は若い消費者の間で最も大きくはあるものの、ソーシャルメディアはすべての年齢層の消費者に購入に関する影響を及ぼしています。
すべての年齢層の消費者に対してソーシャルメディアが最も購入に対する影響を与えているのは、ジュエリー、アクセサリー、フィットネス/スポーツ、化粧品などのカテゴリー。

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季節柄か、ロイヤリティに変化
最後に、これはもしかしたら2021年10月以降のホリデーショッピングシーズンに関する季節的影響もあるのかもしれませんが、アメリカン消費者の60%以上が過去3か月に「売り切れ」を経験。その際、
13%がその商品の在庫が入るまで待った
39%が類似商品を他のブランドから購入
32%が類似商品を購入する為に他のリテーラーに出向いた(オンライン&店舗)
だそうです。また、ブランドやリテーラーを乗り換えてでも購入したという消費者行動はミレニアル層などの若年層で、収入が高いほど多く子の傾向がみられたようです。
クリスマスプレゼントなどでどうしてもこの時期に購入しなければならない商品についてはいつものブランドやリテーラーから乗り換えてでも購入しなければならなかったのか、それともこれまで根強いと言われていたミレニアル層他若年層のブランドやリテーラーのロイヤリティが薄れてきているのか・・。

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いずれにせよ、コロナもデルタもオミクロンもなんのその、消費意欲は変わらないアメリカンの旬な背景をお伝えしました。