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  • Writer's picturePrism ラスベガス

アメリカ消費者のハートをつかむリテール商戦③

アメリカ主要オンラインショッパーミレニアル

オンライン商戦にはメイン消費者を知ることが重要。そこで今回はアメリカオンラインショッピングのメイン消費者層の「アメリカンミレニアル」について。

私自身もミレニアルなのですが、確かに。ミレニアルの性質なのかただ面倒くさがり屋なのかは別として身の回り品は案外オンラインで調達。アレクサに呼びかけて「トイレットペーパー買って!」とか、コーヒーのサブスク購入やら何やらと何を頼んだか忘れてしまうので・・つい配達ないのに毎日自宅の玄関をちらちら開けてしまいます。

(忘れていたアイテムが届くと「あーあれね☆」と、とっても嬉しくなります)

そんなミレニアル層とは大体1981 年~1996年に生まれた世代。2022年に26歳~41歳になる世代の消費者で、アメリカでは人口の25%がミレニアル層です。そんなアメリカンミレニアル層とはどんな人たちなのか早速見てみましょう。

ミレニアルと言えばアボカドトーストとコーヒー

周りにアメリカンにミレニアルといえば?と聞くとこんなステレオタイプ。

  1. アボカドトースト大好き

  2. 高いコーヒー毎日飲んでるイメージ

  3. なんでもスマホで済ます。

  4. 草食系。

  5. 面倒くさいことが嫌いだから人を雇って済ます。

  6. アマゾン、テスラ、Apple製品に目がない。

  7. 結婚しない、子供いない、人間のかわりにワンちゃんが新しい子供。

  8. わがまま、自分LOVE

  9. なんでも「エコ」「サステナビリティ」「オーガニック」大好き

  10. YOLO(You Only Live Once 人生一回きり)がキャッチフレーズ。。。

Photo by George Milton from Pexels

と、なんともポジティブなのか、ネガティブなのかわからない回答が返ってきました。そんな好かれもせず嫌われもせずな現在の主要消費者層であるミレニアル。

実は購買パワーはすごい。

なんと現在ミレニアル(特に40歳近い年配ミレニアル)はアメリカの経済的原動力。人口分布も最大、アメリカの労働力の最大の割合を占め、最大の購買力を持っています。働き盛り、稼ぎ盛り、消費盛りというところでしょうか。現在彼らの購買力は250兆円!

実際のミレニアル層はこんな人たち

  1. 7226万人がミレニアル層(日本の女性全人口が6400万人)

  2. 39%が4年制大学卒業(年配世代は15%~29%)

  3. 43%の女性が4年制大学卒業(年配世代は11%~31%)

  4. 90%は仕事をしていて平均収入は$71,566(約830万円)

  5. 44% が既婚

  6. 55%が母親

  7. 53%の所帯には子供がいる

ミレニアルの多くは大学卒、仕事をしていて既婚者、子供がいるということになります。

一方、アメリカンミレニアルは実はお金に敏感(不安を抱えている)。それも彼らの育った環境が影響しています。ミレニアルは 9/11の余波と大不況の間に成人した世代で、前の世代に比べ全体的に将来への蓄えは少ない。これはなぜかというと、まずミレニアル世代は大学、大学院などの学位を取得するというアメリカンドリームに賛同、そのため、大学卒業率は高いものの、学費ローンが膨大に。一人あたり約39,000ドル(約450万円)の債務を背負って卒業している。

また、リスクを背負って学費ローンを組んで卒業したものの、不況で就職は超氷河期だった為、大学卒業後のROIはとても低かった。高い授業料を払って大学卒業したものの、卒業後10年~は学費ローン返済にヒイヒイだったため、貯金なんて余裕はなかったのです。

しかし、しかし、近年経済も回復。最近はちょっと余裕がでてきました。数年前は将来の不安から住宅ローンは組まない=家は買わない、高い車には手を出さないといわれていたミレニアル。2021年には他の世代を追い抜いて住宅購入、お高いトラック・SUV購入者のトップ層に、そして・・・オンラインショッピングの虜に。(でも値段には敏感ですよ!)

ちなみに、2~3年前まで「ミレニアルは貧乏でケチな世代」と他方で報じられていましたがパンデミック中にオンラインショッピングで消費を増加したのはミレニアル層。そしてここ数年のアメリカ景気回復と共に住宅や高級自動車、ブランド品などの高級品を買い始め、いまや貧乏でケチな世代ではなくなってきました。

Photo by Alexander Suhorucov from Pexels

このほかのミレニアルの傾向は

  1. ミレニアルはコーヒーショップに行ってコーヒーを買って飲む「経験」が大好き、だから他の層に比べ5ドル(580円)以上するコーヒーを毎日買います。

  2. ミレニアルはインターネット、スマホ普及と同時に成人となった年齢でもあり、新しいテクノロジーアイテムが大好き。

  3. ブランドやお店、地元のお店の「ストーリー」に弱い。(例:おばあちゃんのレシピでつくるカップケーキ屋さん。移民のメキシコ人によるアメリカンドリームをそそる開店秘話など。に弱い!ついついストーリーに魅せられて商品を購入しちゃいます)

この「ストーリー性」をついたコマーシャル事例:アメリカに移民してきた自分は英語があまり話せないが、アメリカで生まれた息子は英語がメイン。親子のコミュニケーションがとれにくく関係が離れていたと思ったとき、一緒に作り始めた「オーガニック石鹸」(オーガニックアピール)。親子のコミュニケーションをとろうと始めた台所からの趣味が今や従業員を雇う石鹸ビジネスに!

Photo by Kampus Production from Pexels

オンラインショッピングに関してはこんな傾向が

  1. 86.2%のミレニアルが定期的にオンラインショッピングを楽しみ

  2. 23%が路面店舗へ出向く前にオンラインで購入できるか試みる

  3. 91%はオンラインで済むならオンラインで購入を好む

  4. 44%のミレニアルは「早い発送」「幅広い商品を一気に閲覧できる」ことが魅力でオンラインショッピングを好む

  5. 42%はモバイルでのオンラインショッピングを好み

  6. 26%はオンラインショッピングで食料品の購入をする

  7. 75% がアマゾン大好き(50%が週1回、10%が週1回以上アマゾンで買い物)

  8. 94%がクーポンや割引券はデジタルを好む

  9. 40%がオンライン商品購入前にオンライン口コミをチェックする

確かに、私の周りのミレニアルもものを買うとき必ず「レビューは?」ときいてきます。これもソーシャルネットワーク世代に育った彼らならでは。大企業や広告会社よりも、ソーシャルネットワークでつながった友達やユーザーネットワークの口コミを信用する傾向が強い。

Image by Preis_King from Pixabay

ブランドについてはこんな傾向が

  1. 30% が商品よりもブランドにロイヤリティがある

  2. 60%が10年以上の愛用ブランドがある

  3. 70%が愛用ブランドの商品を買うためにちょっとの不便なことも惜しまない

  4. 52%が自分のバリュー(例:エコ)と合うブランドを好む

  5. 44%が自分と政治的視点が合うブランドを好む

  6. 19%がブランドの「視点」「ポジショニング」をチェックして自分の視点と相違があるかを必ずチェックする

  7. 50%がカスタマーサービスの心地よさがブランドロイヤリティを左右する

  8. 14%がソーシャルメディアからシェアをしたり、フィードバックを書き込む

  9. 81%がメンバーズクラブに入っていることでより多くの商品を購入している

  10. 55%がソーシャルメディアのキャンペーンなどでの「予期せぬ」オファーが大好き

これもソーシャルネットワーク世代ならでは。リテーラーはここついてうまくブランディングします。例えば:ソーシャルメディアで洋服ブランド販売開始前から「こんなブランドを立ち上げようとおもっているの!」とソーシャルメディアに呼びかけ、一緒にブランドを立ち上げるという経験をもとめて殺到するミレニアルからブランドロゴのイメージを募ったり、ブランドメッセージを一緒に作り上げる。また、「今度の春コレクションはこんな商品ラインナップにしようと思うけどどう思う?」と商品ラインナップへのアイデア投稿を呼びかけるなど。自分たちが作り上げていくブランドという視点を活かしてロイヤリティを募ります。

マーケティングについて

  1. 25%がオンラインよりソーシャルメディアでの広告につられて購入することが多い

  2. 43%が広告がおもしろければ購入する確率があがる

  3. 29%が広告の内容が情報豊かな内容であれば広告を読み進む

  4. 36%がソーシャルメディアの広告を信じる

マーケティングについても同じ、前述の傾向にもあるようにミレニアルはブランドからの一方的な「これがおすすめです!」という広告にはなびきません。インフルエンサーや他のユーザーの「体験」「レビュー」を元に購入をします。

例えば合計40万円ほどするトーナルという家庭内エクササイズマシン。「これで10キロ痩せるよ!」とマッチョなお兄さんが宣伝しても効果なし。一般人体形のユーザーが実際の1か月の体験記を早送りで放送。ちょっとここがデメリットという箇所もいれながら体験を語る。これが「一般人」「自分と同じようなユーザー」の感想を信じるミレニアルになびく。最近のソーシャルメディアの広告には企業やリテーラーが自社で作成したコンテンツはゼロ、ただただインフルエンサーが作ったコンテンツを流し、購入リンクを添えただけ。というものも多く見かけます。

photo : Ron Lach

今回は現在のアメリカオンラインショッピングの主要消費者「アメリカンミレニアル」についてお届けしました。日本のミレニアル層とはどうちがうのでしょうか?

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