Prism ラスベガス
アメリカ消費者のハートをつかむリテール商戦④
ECでアメリカミレニアルにリーチする5つの秘訣
前回こちらでご紹介してきたアメリカミレニアル消費者にリーチを広げるEC商戦のコツを実例を交えながらご紹介します。日本からの越境ECサイトを運営されている方やアメリカへ進出される企業様にも遠隔で実践できる2022年ミレニアル層を獲得するには最低限必要な5つのキーポイント!
さて、早速参りましょう。
1.ビデオマーケティング
最近集中力が欠けてきたのか、私も最近数行の商品詳細も「ざっくり」読みをするようになりました。周りのミレニアル層も同じ。毎日なにかと忙しい、ちょっと時間が空いた時にパパっとアマゾンで商品購入!と何かと忙しいミレニアル層はみんな読み物よりも観るものが大好き。そんなミレニアル層にいろいろサービスや商品の説明を書いても読んではもらえません。そんな時にはビデオマーケティングが効果的です。それも「説明ビデオ」が効果的。
もう、これはアメリカのビデオマーケティング事例の殿堂入りと言われてよいほど有名ですがこのDollar Shave Clubという会社の「説明ビデオ」はすごい。安価な剃刀のサブスクリプションサービスを提供する会社ですが、その内容を約1分半ですべて伝え、消費者の頭に記憶させる!
ちなみに説明ビデオも長すぎはいけません、最長2分までの短くて簡潔、でも内容がぎっしり詰まった、印象に残る説明ビデオがミレニアルを引きつけるようです。
2ソーシャル・エクスペリエンス(経験)・コラボ大好き
ソーシャルネットワーキングを作り上げたアメリカミレニアルはなんでもソーシャル性のあるものが大好きで、物よりもイベント、エクスペリエンスと体験が大好き。トラベルブロガーが人気の仕事になったものこの影響です。自分はトラベルブロガーとして世界を旅行しつつ、サブスクライバーとコミュニケーションをとりながらコンテンツを作る。まさにミレニアルを象徴とする仕事・ライフスタイルです。
そんなソーシャルメディアx体験が大好きなアメリカンミレニアルを引き付けるにはインフルエンサーを活用したソーシャルメディアインスタグラムやTikTokからのクリックスルー購入促進がとても効果的なツール。
「みんな次は私にどの洋服を試してほしい?」とインフルエンサーかソーシャルメディアで語り掛けるとコメント殺到!するとインフルエンサーはみんなが試着してみてほしい、試してほしいアイテムをお試し。インフルエンサーが提供する割引コードを利用してインフルエンサーが試してくれた洋服を買う。
ミレニアルは「コラボ」も大好き。例えば、一般人とはかけ離れたイメージのハリウッドセレブがおすすめするコスメよりはいつもサブスクライバーのかわりに新発売のコスメを試しては辛口コメントを残すある意味「信頼のおける」身近な存在のインフルエンサーとコスメブランドのコラボで生まれた製品を好んで購入。これによりコスメブランドは販促だけではなく、インフルエンサーを通してブランドと消費者との距離感をぐっと縮めます。

アメリカンTikTokでは13歳のパグが朝寝起きで立ち上がるか立ち上がらないかで毎日「骨アリ(行動実行日)・骨なし(リラックス日)のどちらかになるかの行方を占い・・・・。そのパグちゃん、音楽配信サイトとコラボもしています。 Photo by Charles Deluvio on Unsplash
3.ライブでソーシャルショッピング
最近アメリカでは火がついてきたライブショッピング。これはテレビショッピングと同じなのですが、Tikokライブなどで視聴者(ユーザー)からの質問やコメントに回答しながら販売。
例えばユーザーが「そのバッグは持ったらどれくらいの大きさ?」「ちょっとくしゃくしゃっとしわ寄せてみてしわができないか見たい」などライブで試してほしい内容をコメント、TikTokライブを流している側はライブでそのコメントに答える。ライブで実演販売のようなものですね。それで満足したらユーザーはTilTokぺージのリンクから商品ページへジャンプしてその商品を購入。
このインタラクティブで今みたものを今試して、今買う(again. テレビショッピングがモバイルインタラクティブになっただけなんですけれど大流行り)。

Photo by Hello I'm Nik on Unsplash
4.押し売り禁止。
「今はこれが人気です!これがおすすめです!」というブランドや企業からの押し売りに一切無反応なことで知られるアメリカンミレニアル。押し売りは大嫌い。自分から求めることを好みます(なんだか面倒な消費者さんに聞こえますが・・・)その通り。
例えば日本とアメリカの女性アパレルウェブショップを比べるとよくわかるのですが、日本のアパレルブランドなどのウェブサイトの商品写真はモデルさんが一人で洋服アイテムを着こなしポーズ。多くの場合モデルさんの顔が見えない、切れている場合もあります。つまり、日本の消費者さんに受けるのはアイテムがきれいに見える商品にフォーカスを置いた写真。

日本はモデルさんの顔がきれていることが多く、商品の詳細にフォーカスをおいた商品写真が多い。 Photo by Joel Muniz on Unsplash
ところが、アメリカのアパレルブランドなどのウェブサイトをみると前面に打ち出すメインの写真はスナップ写真のような写真。男女混合複数人がハイキングを楽しむ写真やディナーを楽しむ写真など。これ何の宣伝?と思うような一般生活のスナップショットが並びます。モデルさんも様々な体形のモデルさんを起用。消費者が「これは自分にいいかもしれない」と感じるような広告を掲載。

ユニセックスやダイバーシティ豊かなな体形を描写するのはマスト。自然な日常写真で雰囲気をそそります。 Photo by Eliott Reyna on Unsplash
そう、アメリカンミレニアルを引き付けるにはミレニアルさんたち自身が「お?」と思うような体験や想像を膨らませるイメージ写真で購買意欲をそそります。「こんなビーチに遊びにいくならこんな水着ピッタリだな」「颯爽と待ちを歩くならこんな靴がいいだろうな」と幻想の世界に導くことが効果大!
5.ブランドや企業のバリューに共感
ある調査では回答したミレニアルのなんと81%がブランドや企業になんらかのチャリティーや社会貢献へのコミットメントを求める!という期待もあり、アメリカンミレニアルは社会問題に敏感。近年では環境に優しいリサイクルスニーカーや古着を店舗に持ち帰り、そのアイテムをすべてリサイクル利用しますと掲げるアパレルブランド。また安価なアパレルブランドの縫製工場の労働者の賃金や労働環境改善を掲げるブランドなど社会問題解決へのコミットメントをブランドメッセージとして掲げる企業も多くなりました。
企業の関係者による失言はもちろん、環境問題への対策が足りないからこのブランドの製品はボイコット!などとても厳しくも、使命感のあるアメリカンミレニアル。彼らのハートをつかむには企業として、ブランドとして消費者であるミレニアル達と「共感」できるミッションをことが重要。
事例:Allbirds 環境保全をミッションにしたスニーカーブランド
また、「大企業」よりは地元支援、企業家、女性起業家支援などの観点から「スタートアップ」「スモール・地元ビジネス」を好む傾向もあります。よってもしもご自身のビジネスがスモールビジネスという場合はどんどん全面的にそれを押し出しましょう。
社会貢献に敏感な分、ミレニアルは自分が協力したいと思うミッションにはとてもロイヤリティ高く、支持をします。例えばショップ紹介や会社紹介には「こんなに素晴らしい実績の会社ですよ」「こんなに信頼性のある商品を開発しています!」とアピールするのではなく「みんなと一緒にブランドを作り上げていけて嬉しい!多くの企業家やショップオーナーががんばれるような環境をつくりたい!」「子供のころから夢みたショップがオープンしました!もっといろんな子供に夢を与えるショップになりたい!」といったメッセージでパッションをアピール。

Photo by Ian Schneider on Unsplash
どこからでてきたかいきなり2021年冬に人気になったBOMBASという靴下メーカーがこれで大成功。「恵まれない人々にギブする」をミッションにつくられたこの会社はソーシャルメディアでこれをアピール。消費者が1足購入毎にホームレスや恵まれない方に下着などの必需品を寄付すると掲げたこのブランド。クリスマス時期に「社会貢献につながる意味のあるプレゼント」というところに心をつかれたミレニアルに大人気の商品になりました。
どうでしょうか、越境ECやビジネスでも実行できる5つのキーポイントをお伝えしました。ミレニアルのハートをつかむには・・・アメリカンミレニアルが共感できるミッションを持ち、ミレニアルと一緒にソーシャルでコミュニケーションをとりながら一緒にブランドやショップを育てていく!そしてそれを2分以内の短いビデオコンテンツで配信!これにつきるようですね。是非ご活用ください。

スモールビジネスの裏側をビデオなどで配信するのも効果的! Photo by Brandy Kennedy on Unsplash