Prism ラスベガス
アメリカ版インフルエンサーの活用方法
インフルエンサーの活用方法
前回はアメリカ版インフルエンサーマーケテイング概要についてお伝えしました。概要はこちらからご覧ください。さて、今回はインフルエンサーの活用方法についてお伝えします。どうやってインフルエンサーとつながる?どうやって採用する?インフルエンサーを採用してどうマーケテイング活動を行うべきか?
アメリカ版インフルエンサーの活用方法をご紹介します。
インフルエンサーとつながる?
インフルエンサーといっても様々で、100万人以上フォロワーをかかえる人気インフルエンサーとなると、タレントとしてマーケティング会社に所属している場合もあります。その場合はマーケティング会社との交渉によりインフルエンサーとの契約内容や、支払い金額が決定します。反対に、人気ブランドや企業は自社からインフルエンサーにアプローチするよりは自社で「アンバサダープログラム」を設置。「私こそがあなたのブランドの最適なマーケティングパートナーです!もっと商品を売ることができます!」という多くのインフルエンサーからの応募を募るという方法もあります。
しかしこれはアンバサダープログラムを運営できるほど既に人気のあるブランドや企業で予算も比較的大きな企業の場合。多くの場合は自社からインフルエンサーにアプローチをして交渉をする、という方法になるでしょう。
方法①
多くのインフルエンサーはビジネスお問合せ用Eメールを自分のページに掲載していますのでまずは気軽にEメールへ問い合わせ。もしくはソーシャルメディア内のDM(個人間のダイレクトメッセージ)を利用して連絡。
方法②
PR box やPRパッケージと言われるマーケティングアイテムを詰め合わせた封筒や商品の発送をもってアプローチ。例えばマーケティングしたいものがお菓子であればそのお菓子とお菓子の説明、食べ合わせの紹介や会社の成り立ちなどインフルエンサーが受け取って気に入ったらすぐにその商品や会社を紹介投稿してくれるような内容のPRパッケージを送付。
また、インフルエンサーがフォロワーに提供できる「割引コード」などの提供も効果的。これはインフルエンサーにとってもフォロワー収集に効果的であり、会社としてはインフルエンサーごとに違う割引コードを提供することでどの複数のインフルエンサーの中から誰が一番商品購入につなげてくれるかを判断する判断材料を集めることもできます。
インフルエンサーとの契約?採用方法?
インフルエンサーはユーチューブやインスタグラム、ティックトックなど人気のあるプラットフォームによってその効果が変わったり、フォロワー数によってももちろんインフルエンサー効果は大きく変わります。
例えば、アメリカインスタグラムの場合下記が大まかな1投稿当たりの報酬。但し、人気インフルエンサーは多くのブランドの契約をしているため、時には競合との契約が不可の場合もあります。また1,000,000以上のインフルエンサーとなるとエージェンシーやマーケティング会社とタレント契約をしている場合もあるので報酬金額は様々。
「ナノ」インフルエンサー
1~10,000フォロワー数の場合 1投稿 10~100ドル
「マイクロ」インフルエンサー
10,000~100,000フォロワー数の場合 1投稿 100~500ドル
「ミディアム」インフルエンサー
100,000~500,000フォロワー数の場合 1投稿 500~5,000ドル
「マクロ」インフルエンサー
500,000~1,000,000フォロワー数の場合 1投稿5,000~10,000ドル
「メガ」インフルエンサー
1,000,000以上のフォロワー数 1投稿10,000ドル~

Photo by Artem Podrez
インフルエンサーの採用方法もいろいろ
1.頻繁に新商品などを送付、インフルエンサーにレビューをしてもらう
これは複雑な契約を要さない「ナノ」「マイクロ」インフルエンサーに最適。定期的に多くのPRパッケージを受け取るインフルエンサーの目にとまり、レビューを投稿してくれれば成功!無料で商品を提供する代わりにレビューをしてもらいます。
但し、不特定多数のインフルエンサーにPRパッケージを送るのではなく、そのインフルエンサーが自社のターゲットとしているフォロワー層を確保していることや、インフルエンサーが但しい知識をもって商品のレビューができるほどのある程度の専門知識をもっていることなどを確認した上でアプローチをしましょう(例:ヘアスタイリストのインフルエンサーにコスメを送っても・・意味ないですよね)
多くのインフルエンサーは月々数十以上のレビューをしきれないほどの「PRパッケージ」を多くのブランドや企業から受け取るため、開封ビデオを投稿したりもしています。「今月受け取ったPRパッケージ開封!」といったビデオ。インフルエンサーの目に留まって自社商品のみの詳細なレビュー投稿をしてもらえなかったとしても、「こんな企業からこんな製品が届いたよ」と紹介だけしてもらえるチャンスもあります。コストを抑えてインフルエンサーマーケティングを開始したい場合はおすすめの方法です。
2.コラボレーション企画
「ナノ」「マイクロ「ミディアム」レベルのインフルエンサーとのコラボでは自社商品を使用したビデオを投稿してもらったりするのも効果的。例えばアジア料理レシピを披露するインフルエンサーに新しい調味料とレシピアイデアを送付、インフルエンサーにコンタクトしてレシピを公開する際にその調味料を取り入れてもらうなどといった要領。
マクロやメガレベルになると大きな企業と「共同商品開発」というコラボも多くみられます。例えばお掃除ビデオを配信している人気インフルエンサーは近年アメリカで人気のお掃除スポンジ会社「スクラブダディー」とコラボ、小さな手の人にも使いやすい改良版小さ目サイズのお掃除スポンジを販売。
また数々の大手コスメブランドがインフルエンサーが作ったコスメキットなど限定商品を販売。メイクブランド「モーフィー」は「○○ちゃんのメイクキット」「△△さんが選んだアイシャドー」などインフルエンサーコラボ商品を販売。

Photo by George Milton
3.ブランド契約
これはインフルエンサーにアプローチをして自社の広告塔としてインフルエンサー契約を交わすもの。タレントさんの広告契約同様、細やかな契約内容が必要となります。またブランド契約をしているインフルエンサーレベルとなるとインフルエンサーのケアも重要となります。インフルエンサーにいかに自社のブランドや会社を好んでもらい、いかに良いコンテンツを配信してもらえるか、いかにインフルエンサーに満足してコンテンツ配信をしてもらえるか手厚いケアが必要です。
ブランド契約をするメガインフルエンサーレベルになると企業のインフルエンサー接待もゴージャス。商品発売前のお披露目パーティへの招待や全米が注目をあびるコンサートやイベントへのVIP招待(ここでブランドブースに招待をしたり、アパレルインフルエンサーの場合はブランドの洋服を着てレッドカーペットで写真をとってもらうのが趣旨)。
セレブよりも強い影響力を持つと言われるインフルエンサー。次回はインフルエンサーへのお支払い「お金」の事情をまとめてお伝えします。お楽しみに!

Photo by Ron Lach