Prism ラスベガス
日本とはかなり違う「ここが変だよ、おもしろい?アメリカの学校」パート②
Updated: Feb 1
今回はちょっと息抜き。
去年の「ここが変だよ、おもしろい?アメリカの学校」に引き続き日本からすると「?」なアメリカの学校についてお届けします。私の周りには現役、引退した公立、私立学校の先生、校長先生がなぜか多く、そんな彼らと、周りの子供達との会話にでてきた面白いアメリカの学校のお話。アメリカは州や管轄学校区によって学校の教育内容も様々なのでここからの内容にはもちろん地域差はあります。
① 公立学校にもいろんな種類がある、英才と多言語も。
公立学校の中でも一般の小学校や中学校の他に「チャータースクール」「マグネットスクール」といった理系中心にデザインされたプログラムや一般より優れた学習能力を持つ子供用にデザインされた教育プログラムを実施する公立学校があります。また、一般の学校内でもゲート(GATE=Gifted and Talented Education)プログラムという英才教育プログラムがあり、優れたお子様は小学校の年齢から英才教育プログラムに参加することができます。また、よく言われる「飛び級」もあります。
また、日本人が多い地域やヒスパニックが多い地域ではイマージョン・プログラムを導入している学校もあり、生徒は午前中は英語、午後はすべて日本語という風に2か国語で授業を受けることもできます。

Photo by Arthur Krijgsman
②学校の先生はなんでも自腹出費が膨大!
小学生は新学期が始まる際、先生から「教室サプライ寄付リスト」をもらってくることがあります。ここには教室でみんなが使用するポケットティッシュx30、ペットボトル水x60本、ウエットティッシュx30個、ポストイットx30冊などなどの備品がリストされており、これを元に保護者は備品を購入先生に備品を寄付します。これは先生を助けるため。
なぜかというと、アメリカの学校の教室内の備品はすべて先生の「自腹」。例えば掲示板を飾る飾り、生徒のアクティビティに使用する備品やステッカー。幼稚園でよくつかわれるような遊びグッズやアートセット、画用紙、カラーペン、ご褒美ようのキャンディなどなど。すべて「自腹」なのです。
その代わり、年次の確定申告でコストを一部控除できたりはしますが、それでもかなりの出費です。なのでみんなが使う必須備品についてはできる限り保護者が寄付をして先生のコストの負担を軽減します。
先生の自腹金額調査:1年間にかかる自腹出費金額

www.savings.com掲載調査を元に作成2022年の情報
消費内容は?

www.savings.com掲載調査を元に作成2022年の情報
結構な出費ですね。アメリカのデパートや文具店、雑貨屋さん、エンターテインメント、観光地など多くの場所で「先生ディスカウント」があり、先生の出費を助けています。
③アメリカ国旗、アメリカへの忠誠を誓う!
アメリカの学校は入り口、廊下、教室内、ランチを食べる講堂まで全てあらゆる場所にバーン!とアメリカ星条旗が掲げられています。そして子供達は毎朝大声でアメリカへの忠誠を誓うのです。朝のニュースでも「さあ。今日も元気にアメリカ忠誠を誓ってくれるのはこの子です!」と地域の子供が送ってくるビデオ投稿によるアメリカ忠誠の誓いが放送されます。
まだ何を言っているかわからない保育園や幼稚園児もしっかりと胸に手を掲げて教室にある星条旗に向かって
「私はアメリカ合衆国国旗と、それが象徴する、万民のための自由と正義を備えた、神の下の分割すべからざる一国家である共和国に、忠誠を誓います」
深い。毎日日本の国旗に向かって胸にてをあてて国家を唄うという感じでしょうか。

Photo by Arthur Krijgsman
④教科書なし。全てプリント、もしくはグーグル。
教科書はありません。
よって、保護者としては学校で一体何をどんな順番で学んでいるかがわからない・・。そして宿題のわからないところを教えようとしてもどうやって教わっているかがわからないのです。幼稚園児はボロボロになったプリントをがさーっとリュックサックに入れて持って帰ってきます。そして小学校高学年、中学校になるとみんなiPadかグーグルクロームブックを下げて学校に行き、宿題や教室内の勉強もすべてタブレットの中で行います。
まぁ、そのせいもあり、採点されたテストなどは一瞬でオンラインに反映されます。悪い点を隠すことはできません。
⑤中学1年間理科や社会の授業なかった??
これは学校区によって様々なのですが、例えばラスベガスの公立学校区では全教科を1年間学ぶことがない(?)のです。例えば日本では〇年〇組の時間割は国語、社会、理科・・・という風にクラスごとに時間割が設定してあり1年間を通してすべての教科を学びますが。ラスベガスの公立中学校では生徒一人一人各自の時間割があり、あらかじめ決められた科目にプラスして生徒各自で希望申請した「選択科目」があります。
よって、例えば選択科目が算数だった場合、生徒によっては1学期の科目は算数(基本)、算数(選択)、社会、体育のみ。という具合に1学期間社会や理科などは全く学ばないということになります。みんなそんな感じ。生徒によっては中学1年生の1年間全く理科を勉強しなかった、社会を勉強しなかったという生徒もいます。(いいのでしょうか・・・・)。これちょっと不思議。これは最近の傾向のようで年配の引退した先生は聞いてびっくりしていました。
⑥スタバカードが舞う「先生ありがとうウィーク」
毎年5月には「先生ありがとうウィーク」という習慣があり、毎晩採点に追われ、保護者対応に追われ、膨大なコストを自腹で支払う働き者の先生に感謝をします。雑貨屋さんなどでも「先生ありがとう」グッズが販売されます。多くの保護者がマグカップやクッキーなど贈り物を子供に持たせるのですが一番人気は「スタバカード」。
私の友達の先生たちは毎年10枚ほど生徒たちからスタバカードをもらいます。
日本ではどうでしょう、先生に贈り物をするとなんだか「わいろ」に思われるでしょうか・・・。先生ありがとうのカードでも良いので送ってあげたいですね。

Photo by Yan Krukov
⑦パジャマデー、クレイジーヘアデー、ハロウィーン
もともと制服がない(もしくはベージュのスカート又はズボン、ネイビーのシャツと色だけ決まっている)アメリカの公立学校。中学校になるとほとんど私服(超ミニスカートなどは禁止などガイドラインはあり)なのですがそんな中で時々あるのが「パジャマデー」。もう中学生にもなると毎日パジャマなんじゃないのそれ?という恰好をよくみかけますが、一応パジャマデーには「パジャマ」を来て登校OK。この他にも前回の記事でおつたえしたような「クレイジーヘアデー」などもあります。
そしてハロウィーンは思いっきり仮装して学校に。小学校などではハロウィーンパレードと称して生徒たちが仮装姿で学校内を歩き、保護者は学校へ出向いて子供達の写真をパチパチ。
日本とくらべると保護者が学校へ出向いて見学する機会は多いような気がします。
さて、最近の日本の小中学校はどんな感じでしょうか

Photo by Arthur Krijgsman