top of page
  • Writer's picturePrism ラスベガス

メリーランド州週休3日制へ

時々話題になるこの「週休3日制」今回は本格的に動き始めたようです。


労働日は月曜~木曜だけで毎週3連休。祝日の少ないアメリカでは3連休は滅多にないので、この週休3日制導入に関してはみんな目をキラキラ光らせています。(日本は毎年16日祝日があるようですが、州にもよりますがアメリカは年間10日ほどと・・少ない。)


そんな大人気「週休3日制」、なんと今回メーリーランド州で正式に法案として提出されました。


米国で初めて週休4日制の標準化に踏み切ったメリーランド州議会が今月提出したその新法案は


「公的および民間の雇用主に対して、給与や福利厚生を削減することなく週休3日制を進めることが目的で、週40時間労働の従業員を30人以上32時間労働に切り替えた企業は、州の税額控除を受けることができる」というもの。


また、州や自治体の政府機関にも週休2日制を導入してその結果を報告するよう促しています。


「週休3日制」を導入したい雇用主は、州が主催、メリーランド州労働省が監督するこの「週休3日制」実験プログラムに最長2年間参加することができ、この実験制度は2028年に段階的に廃止される予定。


この法案に関する公聴会は来月2023年3月に予定されおり、署名されれば、2023年7月1日から実施されることになるそう。



労働者をハッピーにするリベラルな法案は西海岸のカリフォルニア州などから発表されるパターンが多いのですが、今回はアメリカの首都ワシントンDCに隣接するメリーランド州からの新法案です。



連邦政府も、カリフォルニア州も週休3日制にしたい


やっぱりカリフォルニア州からも「週休3日制」案はでていました。

2022年、カリフォルニア州議会では、


「500人以上の従業員を抱える企業に対して、標準労働時間の定義を40時間から32時間に変更し、それ以上の時間には残業代を支払うことを義務付ける」


という法案がだされていたようです。この法案は今だ停滞中。


そしてアメリカ連邦政府レベルでも同じ内容の法案が提出されていたようです。(こちらも難航中)






なぜ「週休3日制」法案が出始めているのか?


もともと祝日が少なく、実は他国より労働時間が長い「働き者」といわれているアメリカンはみんなもっと休みを取りたいんだ!そんなことはごもっとも。みんなお給料変わらず週休3日制は大喜びでしょう。


そんなごもっともな意見は別として、なぜ最近になって「週休3日制」法案が出始めているのか?


それはアメリカでコロナ時期に、特に浮彫になてみえてきたアメリカン労働人口の「燃え尽き」が理由。今まで毎日淡々と仕事をして、突っ走ってきたアメリカン労働者、コロナで人生を見直す機会ができ、また雇用者側も働き方について一息ついて考え直す時間がふえました。


そこで見えてきたのが「燃え尽き症候群」-みんな働き疲れて、生産性がなくなっていたのです。長時間働いたからと言って生産性がその分自動的に増加するということはありません。人間みんな程度の休憩やライフスタイルのバランスが必要なのです。


そう、政府や企業はようやく気づき始めたのです。


「適度に休憩をいれながらの方が生産性が増すのではないか?」







私もポモドーロ方法で仕事をすることがあります(25分集中して5分休憩など、キッチンタイマーのようにタイマーをセットして作業をするという方法)。2時間ずーっと画面に向かってカタカタパソコンするよりは、仕事内容によっては一気集中スプリントの方が全体的にみて成果効率が良い場合も確かにあります。


研究でも立証されている。


アメリカやその他の英語圏(オーストラリア、アイルランド、イギリス、ニュージーランド、カナダ)含む33社903人の従業員を対象に行われた「週休3日制」の試験的な導入結果の調査では、大成功で、参加者の96.9%が「週休2日制」に戻すのではなく、「週休3日制」を継続することを希望。従業員の自己評価による仕事のパフォーマンスは向上し、生活の一般的な満足度 も改善されたと結果報告があります。(自己評価ですけどね・・)


また、昨年イギリスで行われた世界最大の労働生産性の調査では、約3,300人がこれまでの給与に変更なしのまま80%の労働時間に切り替えた時、従業員や企業からのフィードバックは圧倒的にポジティブで、生産性が向上。労働者はストレスが減ったと感じ、一部の企業では業績が改善されたという結果がでています。


また、このような結果を背景に、アイスランド、デンマーク、スペイン、ベルギーなど、いくつかの国では既に週休4日制の実験が行われているそうです。


労働者は大賛成!のこの「週休3日制」。今回はアメリカで法案として申請され、いよいよ本格的に実験が始まるようです。


今後この流れは日本にも及ぶのでしょうか?






21 views
bottom of page