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日本のIR開業プロセスとは?IRカジノビジネス解説 第4回

  • 執筆者の写真: Prism ラスベガス
    Prism ラスベガス
  • 23 時間前
  • 読了時間: 6分

執筆・監修 プリズムソリューションズ(ラスベガス)

この記事でわかること


  • 日本のIR(統合型リゾート)が開業するまでの主なフェーズ

  • 大阪IRの実例で見る、申請から着工・開業までのマイルストーン

  • 2027年に始まる第2弾IR公募に向けた北海道・愛知など候補地の現状と今後の道のり

  • IR参入を目指す企業が出席すべきカジノ・ゲーミング業界の展示会

日本のIR(統合型リゾート)が開業するまでには、法律の制定・自治体の立候補・民間事業者(オペレーター)の選定・国の審査・建設という複数のフェーズを経る必要があり、全体で数年~10年かかるのが現実です。「IRができる」というニュースは耳にしても、実際にどんな手順を経て開業にいたるのかを知っている人は少ないかと思います。そこで本記事では日本初のIRである大阪IRのケースを軸に、IR開業プロセスの全体像をわかりやすく解説。

さらに、2026年3月10日に閣議決定された「第2弾公募(申請期間:2027年5月6日〜11月5日)」に向けて、北海道・愛知などの候補地がこれから歩む道のりと、IR参入を目指す日本企業・地元企業が今すべきことを具体的にまとめます。


1. 日本のIR開業プロセスの主なフェーズ

IRができるまでには大きく分けて5つのフェーズがあります。

法制度の整備から始まり、自治体が手を挙げ、民間事業者を選び、国の審査を受け、着工・開業へと進む流れです。

No

内容

担当

主なアクション

法制度の整備

国がIR推進法・整備法を制定

(2016年・2018年)

自治体の誘致・事業者公募

自治体

都道府県・市がIR誘致を表明し、民間IR事業者を選定

区域整備計画認定申請〜認定

自治体・IR事業者

共同で区域整備計画を作成し国土交通大臣に申請、認定を取得

実施協定締結〜ライセンス申請

自治体・IR事業者・カジノ管理委員会

実施協定を締結し、カジノ管理委員会が審査・ライセンス付与

建設・開業

IR事業者・カジノ管理委員会

着工→竣工→開業、カジノ免許取得後に営業開始

2. 大阪IRのマイルストーンで見る所要期間

IR法律制定から着工まで約9年

大阪IRは、2016年の法律制定から2025年の着工まで約9年を要しました。

大阪IRの場合、初のIRであること、新型コロナの影響などにより、当初想定より時間を要した面もありますが、現在唯一進行中の日本IR案件として、その歩みは重要な参考事例となります。

時期

フェーズ

出来事・内容

2016年12月

① 法制度整備

IR推進法成立

2018年7月

① 法制度整備

IR整備法(実施法)が成立。

具体的な規制・管理体制が決まる

2017〜2019年

② 誘致活動開始

大阪府市がIR推進局を設置/候補地を夢洲に決定/IR基本構想を策定

2019年4月

② 事業者公募

RFC(概念提案募集)を実施/複数の海外IR事業者が関心

2021年9月

② 事業者選定

MGMリゾーツ&オリックスを事業予定者として選定

2022年4月

③ 国への申請

区域整備計画を国土交通省に認定申請

2023年4月

④ 国の認定

国土交通大臣が認定/日本初のIR区域誕生

2023年9月

④ 実施協定締結

大阪府市と大阪IR㈱が協定締結/ライセンス申請へ

2025年4月

⑤ 着工

夢洲で建設開始

2030年秋頃

⑤ 開業予定

当初2029年頃開業予定だったがコロナなどでの遅延により

2030年秋ごろへ延期

法律ができてから着工まで約9年、開業まで約14年。コロナ禍、それに伴う建設費の高騰など予期せぬ要因もありますが、それを差し引いてもIR開業は非常に慎重なプロセスの積み重ねであり、長期にわたる大規模プロジェクトです。


  1. IR誘致・ライセンス第2弾の公募がスタート


2027年5月~11月5日の期間で日本IR申請受付開始

2026年3月10日、政府はIR区域整備計画の追加申請期間を2027年5月6日〜11月5日と閣議決定。日本のIRは法律上最大3か所まで認定できるが、現在認定されているのは大阪1か所のみ。残る「2枠」をめぐり、いよいよ第2ラウンドの誘致レースが本格化します。

候補地

現状と特徴

北海道

苫小牧・函館が誘致を検討中。2019年に一度見送り後、2026年誘致の再検討を進めている。観光資源の豊富さと広大な土地が強み。

愛知県

中部国際空港(セントレア島)を候補地として検討中。コロナ影響で2022年に一度見送り後、第2弾公募を受け再検討が進行。国際線ハブ直結が強み。

その他

東京都、横浜市、和歌山市、佐世保市、福岡市、北九州市、釧路市、留寿都村、広島市、

下関市、沖縄県などが過去に関心を示したが、現時点で再立候補の正式発表はなし。

第2弾候補地が歩む今後のプロセス(想定スケジュール)

大阪IRの実例をもとに、北海道・愛知など第2弾候補地がたどるIR開業までの道のりを整理すると次のように予想されます(候補地、スケジュールはあくまでも予想です)。

時期(目安)

ステップ

内容

〜2026年末

自治体の方針決定

誘致を正式に表明するかを、議会・世論を踏まえて判断

2026〜2027年初

事業者公募・選定

RFCでコンセプト収集 → RFPで絞り込み → コンソーシアム選定

2027年5〜11月

国への申請

自治体と事業者が共同で区域整備計画を作成し提出(申請期間内)

2027〜2028年頃

国の審査・認定

審査委員会による審査(大阪は約1年)→認定後に実施協定締結

認定後〜

カジノライセンス申請

カジノ管理委員会へライセンス申請・審査

着工後5〜6年

開業

大阪IRの工期を基準に、2034〜2035年頃の開業想定

4. IR参入を目指す企業関係者の準備


IR参入を目指す日本企業にとって、最大の問題は「いつ、何をすればいいのかわからない」というところは多いと思います。IR関連事業に参入すると決定していても、検討中であってもIR事業者が選定・認定されてから動き始めるのでは遅いので、これらにさきがけて市場調査を進めていくことをおすすめします。


IR業界の情報収集とネットワーク構築に欠かせないのが国際展示会・カンファレンスです。カジノゲーミング業界の展示会は他の業界と比べて比較的オープンで費用も抑えられており、初めてでも参加しやすいのが特徴です。

展示会名

場所・時期

日本企業にとっての意義

G2E Asia

マカオ / 毎年5〜6月

アジアのカジノオペレーターの多くが参加。日本IRに関心を持つ事業者と直接接点を持てる。ネットワーク構築に最適(2026年は5月12〜14日開催予定)

G2E Las Vegas

ラスベガス / 毎年10月

世界最大規模の展示会。IRオペレーター・サプライヤーが集結。世界標準の仕様・最新技術の把握に必須。ラスベガスIRの現地視察も可能

ICE Barcelona

バルセロナ / 毎年1〜2月

欧州のゲーミング技術・規制トレンドの最前線。欧州系サプライヤーが多数出展し、G2Eの欧州版的ポジション

📌 まず行くなら:「G2E Asia」(公式サイト)が最初の一歩としておすすめです。


5. まとめ

以上、日本のIR開業プロセスを解説:IRカジノビジネス解説 第4回をお届けしました。

日本のIRは、法制度・審査・建設を経る極めて長期かつ慎重な国家プロジェクトであり、参入には早期の準備が不可欠となります。まずはIR開業までのプロセスを正しく理解し、市場のプレイヤーを把握しながらネットワークを構築していくことが、将来のビジネス機会につながる第一歩となります。





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