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ラスベガス事例で見るカジノ免許|IRカジノビジネス解説 第8回

  • 執筆者の写真: Prism ラスベガス
    Prism ラスベガス
  • 3 日前
  • 読了時間: 6分

更新日:2 日前



この記事でわかること


カジノ規制の世界的なベンチマークのひとつでもあるラスベガス(ネバダ州)のゲーミング免許制度を、ネバダ州当局の公式情報を用いて解説します。日本IRもネバダ州を含む世界各国の規制を参考にしており、ラスベガスの制度を理解することは、日本IRビジネスに関わる関係者にとって参考になると思います。


1. ラスベガス(ネバダ州)のゲーミング規制機関

ラスベガスが所在するネバダ州のカジノ規制は、1955年にネバダ州議会によって設置された2つの組織が、2段階構造で担っています。


ネバダ州ゲーミングコントロールボード(NGCB:Nevada Gaming Control Board)

ネバダ州知事が任命する3名の委員で構成され、申請の審査、背景調査、税収の確保、法律や規制の執行が主な役割。


ネバダ州ゲーミングコミッション(NGC:Nevada Gaming Commission)

NGCBの推薦をもとに最終決定を行う委員会。免許の付与・更新・取消しの権限を持ちます。


毎月、NGCB・NGCの定例会議が開かれ、新たなIRカジノ免許申請者の許可審議から、規制内容の変更、カジノ施設への出入り禁止を命じられる除外者リスト(カジノへの立入禁止者リスト)掲載者の審議までさまざま内容がここで審議されます。


2. ゲーミング免許(ライセンス)規制の全体像

ラスベガス(ネバダ州)のゲーミング免許(ライセンス)は、大きく4つのカテゴリに分類することができます。

カテゴリー

対象者

カジノ事業者免許(オペレーター)

カジノやスロット施設を運営する事業者

サプライヤー免許

ゲーミング機器の製造や流通を行う事業者

インタラクティブゲーミング免許

オンラインゲーミング関連事業者

その他登録・適格性認定

カジノ事業者他関連企業幹部やカジノ従事者


♦ カジノ事業者免許(オペレーター)免許

カジノなどゲーミング事業者が事業を運営する為に必要な免許。この中でも一番厳格な審査が行われるノンリストリクテッド免許(Nonrestricted License)に関しては事業内容、内部管理体制の整備状況、施設が基準に適合しているかはもちろんのこと、財務記録の精査、関係者へのインタビュー、資金源の裏付け確認や、申請者本人の経歴、犯罪歴、過去の行政処分歴、事業上や個人的な人間関係などすべて調査対象となります。また、後に「個人免許」欄に記載がありますが、申請者のみではなく幹部などカジノ従事者も審査対象となり、別途個人審査が必要となります。


ノンリストリクテッド免許(Nonrestricted License)

スロットマシン16台以上、または台数を問わずスロットマシンと併せて他のゲームを1施設で運営する場合に必要な免許。ネバダ州のIRカジノ事業者はほぼ全てこの免許を取得して運営を行っています。以下もノンリストリクテッド免許の一形態です。


  • スロットマシン・ルート運営者免許(Operator of a Slot Machine Route)

    3か所以上の施設にスロットマシンを設置し、管理・運営をする事業者向けの免許。ネバダ州内では街角のスーパーマーケットチェーンやガソリンスタンドチェーン併設のコンビニ内の一角にスロットマシンが設置されているところも多く、これらを各地で複数運営する事業者がこの免許を取得します。


  • カジノ間リンクシステム運営者免許(Operator of an Inter-Casino Linked System)

    複数のカジノを接続し、プログレッシブ・ジャックポット等を提供するシステムの運営者向けの免許。


  • モバイルゲーミングシステム運営者免許(Operator of a Mobile Gaming System)

    スマホなどモバイル端末を通じたゲーミングサービスを提供する事業者向けの免許。


リストリクテッド免許(Restricted License)

スロットマシン15台以下、テーブルゲームなしの小規模施設向けの免許。ネバダ州では地域のバー内のバーカウンターにゲーム機が設置されているところも多く、15台以下の設置であればこの免許を取得します。


IRカジノは全てノンリストリクテッド免許保持
IRカジノは全てノンリストリクテッド免許保持

♦ サプライヤー免許(製造・流通向け)

カジノ運営だけではなく、カジノに設置されるゲーム機器の製造会社も免許が必要です。


メーカー(製造業者)免許(Manufacturer's License)

カジノで使用されるゲーミング機器を製造する企業が取得する免許。


ディストリビューター(流通業者)免許(Distributor's License)

ゲーミング機器をカジノ事業者に販売・流通させる企業が取得する免許。


大手ゲーミング機器サプライヤー IGT社
大手ゲーミング機器サプライヤー IGT社

♦ インタラクティブ(オンライン)ゲーミング免許

オンラインで賭け金(ベット)を受け取るゲーミングを提供する事業者用の免許。

ネバダ州ではオンラインゲーミング(オンラインポーカーのみ)が合法化されています。


運営者免許(Interactive Gaming Operator)

オンラインゲーミングサービスをプレイヤーに提供する事業者向け免許。


サービスプロバイダー免許(Interactive Gaming Service Provider)

オンラインゲーミング運営者にシステムサービスを提供するB2B事業者向け免許。


製造業者免許(Manufacturer of Interactive Gaming Systems)

オンラインゲーミングシステムを製造、開発する事業者向け免許。




♦ 個人免許・その他登録・適格性認定

法人だけでなく、カジノ経営に関与する個人も個別に免許・承認の対象となります。


個人の免許

カジノ事業者やサプライヤー企業の役員、取締役や重要な関連を持つ従業員等は、個人履歴、財務情報の開示や指紋照会を含む背景調査を受け、審査の後個人の免許を付与されます。背景調査は申請者の性格や人間関係の調査までかなり踏み込んだ内容で、申請者に大きな債務がないことや、人柄が誠実で、クリーンであることが審査されます。


適格性認定(Finding of Suitability)

ゲーミング関連機器の製造業者・流通業者、またはそれらの事業に重要な関与をする者を対象とした適格性の審査・認定制度。


ゲーミング従業員登録

ディーラーやスロットアテンダント(等、カジノ現場でゲーミング業務に従事する従業員向けの登録制度。


その他登録

このほか、独立カジノホスト、独立エージェント(マーケティングエージェント)などの登録制度もあり。


まとめ

ラスベガス(ネバダ州)のライセンス制度ではカジノ事業者だけではなくカジノに製品を供給するゲーミング機器、システムのサプライヤーも免許が必要で、厳格な審査対象となります。また企業そのものだけではなく、役員や主要株主も審査対象となり、多くの場合、専門の法律家を採用して申請を行うなど、申請には多大な時間と労力がかかります。それだけ審査も厳重、慎重に行われます。また、NGCBで免許が付与された後も4半期ごとのレポート義務や更新手続き等、厳しいスタンダートが設けられています。


日本でも同様に厳しい免許制度が設けられていますので日本IR参入に興味のある事業者はこういった参入規制もあらかじめ理解しておくことが有益と思われます。


【注意】本記事は、ネバダ州のカジノ・ゲーミング免許制度の概要を要約して解説したものです。制度の詳細および最新の情報については、ネバダ州ゲーミング管理委員会の公式サイト(gaming.nv.gov)にてご確認ください。



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