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Writer's picturePrism ラスベガス

アメリカ国会の「スニーカー政治」

Updated: Oct 16, 2023

スニーカー党員集会で政治を変える


大統領とのミーティングもスニーカーでびしっと決める


アメリカ大統領とのミーティングとなるとスーツと革靴が思い浮かびますよね。

ニュースなどに出てくる写真もみんなスーツにネクタイ、女性はフォーマルドレスやパンツスーツにハイヒール。

でも、最近そんなある意味伝統的な政治スタイルに変化が起こりつつあります。


アメリカの通勤スタイルは


アメリカでは元々IT、テクノロジー企業や小売業などのサービス業に従事する人々はTシャツにジーンズ、といったカジュアルな通勤スタイルでしたが、それ以外の会社に勤務する人々は日本と同じように毎日スーツ、革靴、オフィスドレスといった服装で通勤していました。


そんなオフィス通勤スタイルにもコロナの頃からだんだん変化がみられてきました。リモートで家からカジュアルに出勤することが増え、コロナで慣れ親しんだ着心地重視のアパレルトレンドがオフィス復帰後にも大きく浸透。今では昔はスーツ通勤だった人々も「オフィスカジュアル」「オフィスアスレジャー」(ヨガウェアの延長でストレッチのきいたパンツや、着心地重視のオフィスウェア)など着心地重視の通勤ファッションに。


もちろん足元にも変化が。女性のヒールの高さはだんだん低くなり、フラットなシューズやシティースニーカーが増え、男性の足元もだんだん履き心地と機能性を重視したカジュアルなシューズに。私のボスが通う伝統的な皮製品を扱うアパレルブランドも最近はローファーや革靴の取り扱いは少なく、カジュアルなオフィススニーカーの取り扱いが増加しているとのこと。

アメリカ国会の「スニーカー政治」
革靴の取り扱いも減ってきました

アメリカ国会の「スニーカー政治」

そんなアメリカの通勤スタイルのカジュアル化にはコロナで実証された世論が反映されています。


「オフィス通勤は窮屈で動きにくいスーツや革靴でないといけない、などといった見た目重視の概念に縛られず、もっと働きやすい、着心地の良い服装と環境で仕事をすることが全体的な生産性にポジティブに貢献する」


そしてそんな動きはアメリカの国会議員にも広まり、フロリダ州出身の自称「スニーカーばか」であるジャレッド・モスコウィッツ下院議員は、アメリカ国会を現代化する動きの先頭に立って国会へのスニーカー通勤を奨励。


(アメリカの議会議事堂のロビーから合衆国下院があるフロアまでを含む議事堂の一部エリアは依然としてスニーカーの立ち入りが禁止なのだとか)


これまで白人系アメリカ人の男性がリードしてきたアメリカ国会も近年では人種も性別も多様化、議会も若返りつつあり、いよいよ現代の本当のアメリカ国民を代表する国会になってきているのです。



アメリカ国会の「スニーカー政治」


スニーカー党員集会で政治を変える


そこで、モスコウィッツ氏は、アメリカ国会が履き心地の悪い靴や時代遅れの伝統を放棄し、履き心地の良いスニーカーを受け入れ「国民の仕事」を優先して遂行するよう訴えかけています。


また国会でスニーカーを履くということは、ただ心地良い服装で仕事の生産性をあげようということだけではなく、既存の伝統的な概念や権力への挑戦という意味もあるとスニーカー政治を後押しする声も。


そして、スニーカーで政治をすることでよりフランクに、カジュアルに話し合いを進めることができる。モスコウィッツ氏とオレゴン州共和党員のロリ・チャベス・デレマー氏は超党派の「スニーカー議員団」を結成、国会でのスニーカー通勤という選択肢について話し合うことで会話が促進され、行き詰まり二極化した議会の溝を埋めるきっかけにもなると今後のスニーカー政治に期待を寄せているとのこと。


背景は違いますが、日本でもクールビスが奨励され始めた時、国会議員の方がネクタイなし姿で記者会見をして当時はちょっと違和感があったことを覚えています。今回の動きはそんなイメージでしょうか。いきなりバイデン大統領がスーツとスニーカーで記者会見に応じ始める日は近いのでしょうか。


スニーカー党員集会で政治を変える



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